【自動車】特定整備・エーミングとはどのような整備?資格はいるの?

自動ブレーキや自動運転機能が搭載された自動車が多くなり、自動車の「整備」の現場や制度にも変化が出てきました。

その中でも最も大きな変化は「特定整備」とそれにともなう「エーミング」という作業です。今回は「特定整備」や「エーミング」とは何か、必要な資格や一般ユーザーへの影響をそれぞれ解説していきます。

【自動車】「特定整備」とはどのような整備?

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「特定整備」という言葉を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?これまでの自動車の整備では主に「分解整備」と言われていた部分になります。まずは「特定整備」とはどのような整備を行うことを表しているのか解説します。

「分解整備」+ 自動ブレーキ・自動運行装置で必要になる整備

「特定整備」とはわかりやすく説明すると、これまでの従来の自動車で行われていた「分解整備」に追加で最新の自動車に搭載されている、自動ブレーキや自動運転にかかわる整備のことをいいます。

ただし、これらは実際の自動車の運転で特に安全にかかわる部分の整備に限られており、例えばただ単にヘッドライトなど灯火類の球切れなどによる、球の交換は分解整備や特定整備にはあたりません。

「分解整備」という名称は「特定整備」へ

これまでも、車検時のブレーキ周りの分解検査や法令で定められた内容の整備については「分解整備」という名称がつけられていました。

しかし、今後はこれらの内容に前述した、自動ブレーキや自動運転などの装置の整備も含めて「特定整備」という名称に変更されます。

電子制御装置整備

特に、アイサイトやレーダーブレーキサポートなど各社が搭載している、車の自動ブレーキや自動運転にかかわる部分の整備については「電子制御装置整備」と言われることが多くあります。

これらの整備は自動車の運転で安全に直結する部分であるため、慎重で正確な整備が求められています。

【自動車】エーミングとは

エーミング

「特定整備」と聞いてピンと来なかった方も「エーミング」と聞くとなんとなく聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

「エーミング」という作業も特定整備では必要になってくる作業です。「エーミング」とは何を行う作業なのか紹介します。

「電子制御装置」の校正作業

自動ブレーキや自動運転にはカメラやレーダーをはじめとした様々なセンサー類が利用されています。これらは工業製品のため同一に作ったとして、どうしてもそれぞれ個体差が出てしまいます。

エーミングとは、これらの個体差を修正するための「校正」作業となります。エーミングが必要な作業を行った後には、正しい方法でエーミングを行わなければ、システムが正常に動作しない可能性があります。

専用工具・環境が必要

エーミングを行うには、専用の工具や既定の整備環境が必要となります。特にカメラやレーダーをエーミングする際には、周囲の光などの影響を受けやすいので、整備環境を整えるのに苦労します。

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【自動車】特定整備を行える資格や認証は?

自動車整備業界には様々な資格や事業所の認証規定などが存在します。「特定整備」によって出てくるこれらの変化についても見ていきましょう。

資格「電子制御装置設備の整備主任者」

事業として、特定整備を行う場合次項で解説する「自動車特定整備事業」の認証が必要となってきます。そこで認証条件となるのが、これから紹介する講習を受講して試験に合格した整備主任者です。

これまで整備主任者になるには、自動車整備士の「1級、2級」、車体整備士などの資格が必要でした。

今後はこれまでの資格条件に加えて、自動車整備士1級(二輪を除く)以外の資格者は電子制御装置について、新たに開講される運輸支局長等が行う講習の受講が必要となりました。講習では学科や実技の講義のほか、筆記試験もあるので対策が必要です。

認証「自動車特定整備事業」

特定整備では、整備主任者の講習受講に加えて整備工場の認証についても新たに、「自動車特定整備事業」という認証が新設されて、エーミング可能な設備など様々な要件が追加されました。

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【自動車】「特定整備」の一般ユーザーへの影響

これまで特定整備やエーミングについて紹介してきましたが、これはあくまでも販売者や整備工場に関係してくる部分です。

最後にこれら特定整備が必要となってくる、自動ブレーキや自動運転機能が搭載された自動車を利用している一般ユーザーへの影響について考えていきましょう。

整備・修理代金が高くなる

「特定整備」の最も分かりやすい一般ユーザーへの影響として、これまでになかった作業かつ大幅な認証制度や資格制度の見直しがあったために、「特定整備」対象の整備代金が非常に高額になってくることが予測されます。

例えば、自動ブレーキや自動運転機能が搭載されている車で、飛び石でフロントガラスにヒビが入り修理した場合やミリ波レーダーのセンサーがついたバンパーを脱着した場合、これだけでエーミング作業が必要となりエーミング料金が発生します。

修理できる場所が限られる

「特定整備」ではエーミングに利用する作業場所や専用ツールなど新たな設備が必要となってきます。そのため、普段利用している整備工場では「特定整備」に当たる整備ができなくなってくる可能性があります。

車の選び方が変わってくるかも

まだまだ一般ユーザーには「特定整備」は浸透していません。しかし、今後中古車やリーズナブルな価格帯の車にも「特定整備」が必要な自動車が増えていき、その整備や修理代金の高さから車の選び方が変わってくることも考えられます。

また、「特定整備」やこれに付随する制度はまだまだ始まったばかりであり、今後も更に自動ブレーキや自動運転の技術は進化するので、さらに制度改正が行われることが考えられます。