200系ハイエースに乗っている方から、ATの調子が悪いという連絡が入りました。色々調査していくと、どうやら200系ハイエースにはATFクーラーが付いていて、それが悪さをすると言う話が出ました。本記事では、DIYでATFクーラー一体ラジエターを交換していきます。
200系ハイエースには、ラジエターが2箇所!?
ハイエースには、メインラジエターとサブラジエターがあります。そしてメインラジエターには、ATFクーラーが内蔵されています。
ATの調子が悪い・・・時
ATFの交換をしっかりしているのに、ATの調子が悪いというときなどでは、ATFクーラーの内部詰まりや損傷を疑うのが良いでしょう。
またAT故障で交換したときなどでは、一緒にATFクーラーも交換した方が良いとのことです。
降雪地帯や海沿い、高速に乗ることの多い方は!
降雪地帯や海沿い、そしてそういった地区で高速道路に乗る方は、ハイエースのラジエター故障は案外多いようです。またエアコンコンデンサーに虫などの異物が詰まり、コンデンサー破損も起こしていることが多いと感じます。
200系ハイエースのATFクーラー一体ラジエターをDIY交換!
まずは、ATFクーラー一体ラジエターにアクセスできるまでフロントパーツを外します。それと同時に、ラジエター液も予め抜いておきます。
ATFクーラー一体ラジエターまでアクセスする
フロントグリルを取り外していきます。数か所のクリップ&ネジで外せます。
バンパーは、下側にクリップ止めされていて、上部は数か所のネジで止まっているだけです。流石に輸出で人気の仕事車です。だれでも作業できる仕様だと感じます。
ラジエターにアクセスするために、バンパーステーなど邪魔なパーツを取り外します。とにかくネジが錆びているので、ボルトを折らないことが重要です。
ラジエターフロント部のシュラウドを外します。
ラジエターアッパーサポートを取り外します。その後、エアコンコンデンサーの接続ホースを取り除きます。ということは、エアコンガスをあとで真空引きして注入する必要があります。
車の下回り側に移ります。クーラーファンコネクターや、繋がっているホースを外していきます。これで、ラジエターを引き出す準備ができました。
上記画像が、ATFクーラーホースです。
降雪地帯ならではのトラブル発生!!!
ラジエターコアを抜き去ってみると、トラブル発生になりました。ラジエターロアサポートが腐食で今にも落ちそうです。
まずは、腐食したロアサポートを取り除きます。ここで注意点があります。このロアサポートは、純正供給部品では3分割になっています。切るところには注意しましょう。
今までの修理方法は、接合部をスポット溶接するという方法が一般的であります。
勿論今でも溶接が一般的だと思います。
DIYで溶接設備を持っていると言う人は少ないといえます。というよりも溶接が必要となると、DIYでは出来ないという話にもなりかねません。
近年では、上記のようなパネル接合ボンドが販売されています。こういったものを使用すると便利でしょう。
新しいATFクーラー一体ラジエターに移植作業
リビルドATFクーラー一体ラジエター(24,000円+税)に、移植できるものを移植していく。
付いていたエアコンコンデンサーには、かなりの虫や異物が付いていました。
洗浄して使用できる感じではありませんでしたので交換します。
価格は、15,000円+税程でした。
新しいATFクーラー一体ラジエターを取り付ける
それでは、準備ができたので元に戻していきます。まずは、ATFクーラー一体ラジエターを取り付けします。エアコン配管に気を付けながら取り付けします。
次にエアコンコンデンサーを取り付けし、配管をセットします。
コンデンサーの取り付けが終わったら、破損防止のために段ボールなどで養生しておきます。そしてラジエターに導風するシュラウドを取り付けます。
今回修理依頼を受けたハイエースは、ボンネットやラジエターアッパーサポートの錆や腐食が多かったので、この2パーツを板金塗装依頼しました。
板金作業が終了するまでに、ラジエター液とエアコンガスを注入して作業終了となりました。また構内で試験走行してみて調子もよさそうでしたので、全ての作業が終わったら、ユーザーに試乗してもらうことにしました。
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ハイエースなどの商用車のATFクーラー一体ラジエター交換では!
ハイエースなどの商用車で、且つ輸入車としても人気が高い車の場合は、ATFクーラー一体ラジエター交換でどのような点に利点や注意が必要でしょうか。
商用車で海外輸出車ならではの整備性は〇
ハイエースは、エンジンをキャビン下に配置して、なるべく荷室空間を広くとった商用バンです。そのため車を運行するためのシステムの場所が非常に狭いともいえます。
そんな中、ハイエースのフロント周りは比較的スペースが広く、さらにバンパーや付属パーツの取り外しも凄く楽であると感じました。
一番重要なのは、サビや腐食をどう処理するか!
ハイエースだけでないのかもしれませんが、やはり降雪地帯、塩害地域、温泉地域などの錆びやすい地域では、注意が必要と感じます。
フロント周りのボルトの錆やフレームの腐食は、思った以上に進行しています。そのためボルト折れなどの間接作業が増える可能性があります。注意したいところです。