エンジンをかけて停車していると、「ウォーン」と大きな異音が発生する車を診ることになりました。それは、30万キロ走行した200系ハイエースのディーゼルでした。本記事では、電動ファンモーター交換手順や注意点をなるべく解りやすく解説してみます。
【200系ハイエースディーゼル】電動ファンモーター交換手順紹介!~外し方~
200系ハイエースディーゼルは、仕事車として最適なモデルです。優秀なモデルですが、車は機械です。30万キロで初めてファンモーターが故障しました。
アンダーカバーを外しコネクター類を外す
200系ハイエースには、小さめのアンダーカバーが付いています。これを外さないと電動ファンにアクセスできません。
電動ファンは、二個ついています。これらを作動させるコネクター類を初めに外します。後からだと外れなくなるので、コネクター類は初めに外すのが良いでしょう。
ボルトを外してファンアッシーを分離する
ファンを囲っているシュラウド部などは、複数個所ボルトで止まっています。このボルトを全て外します。ただこれらのボルトは、高確率で折れる可能性が高いです。折れたときのリカバリー方法を考えておくことも大事でしょう。
上記のような商品は、非常に便利です。特に加工がしづらい場所では重宝すると考えます。
ファンを外してモーターを取り外す
ファンを外して、モーターを取り除きます。プラスネジで止まっていることが多いので、ネジ山を舐めないように気を付けましょう。
筆者は、一本ネジを舐めてしまいました。こういった際は、上記のザウルスなどを使用すると外せます。
無事にモーターを取り外すことができました。
ファンを見ると2種類の形状になっている
外す前にファン状態などを確認すると、ファンの形状が違うことがわかります。これには意味があります。片方は、エアコンコンデンサーをメインに冷やすためのファンです。もう片方は、ラジエター用ファンです。
【200系ハイエースディーゼル】電動ファンモーター交換手順紹介!~付け方~
ここでは、新品モーターを取り付けていきます。
新しいモーターを取り付けてファンも付ける
200系ハイエースディーゼルのファンは、二つあります。作業的には、一か所づつ交換するのが間違いないと思います。
無事に2個のモーター交換が完了しました。モーターには向きがあります。もともと付いていた向きで取り付けましょう。
ファンは、左右間違わないように取り付けてください。間違うと冷却効果が変わってしまいます。
モーターは品番が違うことに注意!
上記画像を見てみると、購入した2個のモーターは品番が違うことが解ります。これは、コネクターカラーが違うことで、左右を分けているためです。今回は、純正商品で25000円×2個でした。
ファンを分解するのであれば、故障した箇所だけでなく両方交換した方が作業的には良いと考えます。
外した時と逆の手順で取り付けて作業終了
ファンモーターを交換したら、ファンをボディに戻す作業に取り掛かります。作業的には、外すときと逆の手順で行えば問題ないでしょう。
作業時間は、約2時間程でしょうか。折れてしまったネジ部分をリカバリーする時間が思いの他かかりました。
試験稼働して異音がないかなどチェック
それでは、ファンを稼働してみます。「ウォーン」という異音もなくなり静かになりました。作業終了とします。
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【200系ハイエースディーゼル】電動ファンモーター交換手順紹介!~ポイント~
ここでは、200系ハイエースディーゼルの電動ファンモーター交換でのポイントを説明します。
200系ハイエースのファンモーターは2個付いている
200系ハイエースのファンモーターは、2個装備されています。片方だけ交換しても直ぐにもう片方が故障する可能性があります。両方交換する方が作業的にベターだと思います。
とにかく錆がひどい物が多いのでボルト折れ必須
ファン周りは、フロントからの雨水などがかなり入り込みます。そしてフロア下にあるファンアッシーは、過酷な状況下で稼働しているといえます。
こういったことから、ネジ類の錆びはかなりひどい状況になっていると考えます。慎重にボルトを緩めても、折れてしまうという現象が多発します。折れてしまう可能性をしっかり把握して、リカバリー方法を予め考えておくことも大切でしょう。