皆さんは、3気筒エンジンなのにプラグが6本使用されている車をご存じでしょうか?筆者は見るまで知りませんでした(恥)。実際にホンダでは6本のプラグを使用しているモデルがあります。本記事では、エンジン不調症状診断からイグニッションコイル&6本のプラグを交換します。
今回不調症状の出た車の紹介と不調症状
今回エンジンが不調という事で入庫した車です。皆さんもよく見かけるホンダライフです。ここではホンダライフの特長や不調症状などを紹介します。
ホンダライフには、3気筒なのに6本のプラグと言うエンジンがある
ホンダライフのボンネットを開けてみて、率直に「ん?イグニッションコイルが6つ?」と思ってしまいました。
筆者は、このエンジンの存在を見るまで知りませんでした。ホンダには、ツインスパークシステムを採用したエンジンがあります。燃費効率を良くするために、6本のプラグを使い微妙に点火時期をずらし、燃焼効率を高めるという発想です。
ホンダライフは、エンジンがスムーズに拭け上がらないと言う症状
今回エンジン不調で入庫した車は、走り出しなどでエンジンが息継ぎしたような状態になるとのことです。
どうして不調症状が出ているのか?【診断】
まずは、不調症状の原因を探っていきます。
エアクリーナー・燃料供給の異常はなし
燃料ポンプの作動音を聞いてみます。燃料挿入口に耳を近づけて聞いてみると、比較的元気な音がします。異常はなさそうです。
エアクリーナボックスを開けて、エアクリーナーを見てみます。汚れも少なく、エンジン始動では特に目つまりした感じもありません。
点火系で異常が発生している
それでは、6つあるイグニッションコイルにテスターを充てて診断してみます。前側の一本だけ波形がおかしい感じです。その右となりも少し時間が経つと同じように少しおかしい感じがします。
点火系の故障と診断しました。
この車は、プラグが6本使用されています。これは普通のグリーンプラグなので6本で3,000円位でした。
しかしながらダイレクトイグニッションコイルは、1本10,000円位します。そうです、6気筒エンジンの価格です。そのため故障の可能性が高い2本だけの交換になりました。
本来であれば、6本全部交換する事が望ましいのですが、流石に6本で60,000円です。ユーザーさんもビックリしていました。3気筒なら30,000円です。
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プラグ交換とダイレクトイグニッション交換手順
それでは、プラグとダイレクトイグニッションを交換していきます。
ダイレクトイグニッションにアクセスできるように補機類を外す
このモデルは、ターボ車ではありません。ターボ車の場合は、真上にインタークーラーが付いているようです。一番右側の奥のプラグ交換がしづらいので、エアクリーナーのサージタンクだけ外します。これだけ外せば作業性があがります。
ダイレクトイグニッションを外しプラグ交換する
ダイレクトイグニッションコイルのカプラーを外し、10㎜ネジを外してダイレクトイグニッションコイルを外します。前側と後ろ側を分けて作業しました。
プラグを外していきます。外そうとしてもかなり固着しています。約120,000㎞走行とのことで、「プラグ交換されていたのか?」と思うくらい固着がひどかったです。
外した6本のプラグです。すでに寿命が切れている感じです。普通のグリーンプラグは、20,000㎞位で交換するのが望ましいです。定期交換してほしいパーツです。
不具合の出ているダイレクトイグニッションコイルを新品に交換
不具合の出ていた前側の真ん中と右側のダイレクトイグニッションコイルを新品に交換します。日立製と純正のイグニッションコイルは、ヘッド部分の形状がかなり違うので、交換履歴が解りやすいです。
全ての作業が終わり、エンジンをかけてみて、テスターで計測してみます。上記画像のように6本とも同じような波形になりました。試乗でも車の挙動は良さそうです。これで、修理完了です。