欧州車のタイミングベルト交換の依頼が来ました。VOLVO V70Rという300ps高出力エンジンを搭載したステーションワゴンです。タイミングベルトは、10万キロ前後で交換するのが良いとされています。本記事では、DIY交換での方法や注意点などを解説します。
【VOLVO V70R】タイミングベルトDIY交換 ~交換前準備~
タイミングベルト交換するときは、タイミングベルトにアクセスできるまでパーツなどを外す必要があります。
ファンベルトを外す
VOLVO V70Rのファンベルトは、一本式です。テンショナープーリーを緩めてベルトを外してしまいます。
ラジエタータンクなど邪魔なものを外す
タイミングベルト交換で邪魔になる、ラジエターリザーバータンクやパワステフルードタンクを外していきます。液漏れを起こす可能性があるので、ウェスなどで覆ってあげましょう。
タイミングベルトカバーを外す
タイミングベルトは、カバーで覆われています。VOLVO V70Rは、ブルーのカバーです。数か所のボルトで止まっているのを外していきます。
タイミングベルトの全貌が見えてきました。
タイミングベルトのマーク位置を付ける
タイミングベルト交換前に重要な作業があります。それは、まさにカムとクランクシャフトのタイミング位置です。
合いマークのある所を線でけがき、位置がずれないようにチェックマークを施しましょう。これを行わないと、上死点を見つけ出したり必要な作業が増えてしまいます。
DOHCのエンジンなので、けがく場所は二か所あります。
【VOLVO V70R】タイミングベルトDIY交換 ~交換手順~
VOLVO V70RタイミングベルトをDIY交換作業していきます。
クランクプーリーを外す
ファンベルトのクランクプーリーは、非常に直径が大きいです。その裏側に小さい直径のタイミングベルトプーリーがあります。そのためファンベルト側のクランクプーリーを外す必要が出てきます。
テンショナープーリーを緩めてベルトを外す
タイミングベルトは、テンショナープーリーによって適切に張り調整が行われています。このテンショナープーリーを緩めながらタイミングベルトを外します。
テンショナープーリーを新品に交換する
テンショナープーリーは、タイミングベルトと同時交換部品です。まずは、テンショナープーリーを交換します。
新しいタイミングベルトを取り付ける
新品のタイミングベルトを先程合いマークを付けた位置を確認しながら取り付けていきます。場所をしっかり決めたら、テンショナープーリーを緩めてベルトを装着します。
ファンベルト&テンショナーを新品交換する
ファンベルトとファンベルトテンショナープーリーも交換します。全てが取り付けられたら、外したものを元に戻して作業は終了です。
ここまでに要した時間は、約4時間半です。結構な重労働です。
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【VOLVO V70R】タイミングベルトDIY交換 ~無交換の危険性&注意点~
タイミングベルトを無交換で走行した場合や、タイミングベルト交換での注意点を解説します。
ベルトは案外丈夫だがテンショナープーリー故障が多い
今回は、タイミングベルト交換に詳しい人と作業しました。その方の話では、「ベルトは案外丈夫な車だけど、テンショナー故障が多い」とのことでした。
無交換で乗り続けると、重大な損害になる可能性があるようです。
タイミングベルトが壊れるとエンジン破損に
タイミングベルトの山が欠けたり切れると、バルブを破損させエンジンブローしてしまいます。適切な時期に交換するのが良いでしょう。
タイミングベルトを交換する際は、テンショナープーリーも同時交換しましょう。VOLVO V70Rには、タイミングベルト交換キットが用意されています。
とにかくカムプーリーの位置をしっかりマーク
タイミングベルト交換では、カムプーリーの位置をしっかりマークしてから作業しましょう。これを怠ると後で大変なことになります。
クランクプーリーやボルト類はかなり固着している
クランクプーリーは、30㎜のナットで止まっています。かなり固着しているのでインパクトなど強力なツールが必要となります。