現在世界だけでなく、日本でも旧車ブームが到来しています。海外の旧車需要などによって、旧車価格も高騰の一途を辿っています。サニートラック、サニトラも旧車の仲間になりますね。本記事では、サニトラという車をコラム的に紹介しています。
サニトラ「サニー・トラック」とは?
サニートラックとは、どのような車なのでしょうか?ここでは、サニトラの歴史や諸元などを紹介します。
旧車・サニトラの歴史
サニトラは、当時大衆モデルとして人気の出ていたサニーの商用バージョンとして登場しました。発売当初の1967年にはダットサンブランドで販売され、後に日産ブランドへ移行しています。
今回紹介するB120は、二代目モデルです。このモデルの販売期間は案外長く、1971年から2008年(海外販売を含め)まで行われていました。
旧車・サニトラの主要諸元
サニトラロング諸元表です。
型式 | R-GB122 |
駆動方式 | FR |
ミッション | 4MT |
車両重量 | 730kg |
全長×全幅×全高 | 4.14m×1.5m×1.39m |
エンジン型式 | A12 |
種類 | 直列4気筒OHV |
総排気量 | 1171cc |
今回紹介するモデルは、こちらをベースモデルにしてカスタム・チューニングが施されています。
旧車レストア済みサニトラ紹介
ここでは、筆者が取材したサニトラカスタム・チューニング済みモデルをご紹介します。とにかく「懐かしい~」と「凄く状態が良い!」と思うモデルでした。
旧車レストア済みサニトラ~外装編~
外装は、薄めのブルメタにオールペンされています。エンジンルームの中は敢えてブラック塗装にしています。
ホイールは、当時物のSSR スピードスターマークⅢが装着されています。フロントスポイラーには、輸出モデルのリップが装着されています。
通称チンスポタイプというスポイラーを装着している人も居ますが、筆者的にはこの輸出用の方が落ち着きがあり、シックリくると感じます。
旧車レストア済みサニトラ~エンジン編~
エンジンはボアアップ加工(1270cc)され、カムもレーシングカムがチョイスされています。さらにキャブレターは、OER製です。
筆者は、このエンジンを組んだ人に取材しているのですが、まずA型エンジンも、有名なL型エンジンもバルブタイミングが非常に重要とのことでした。
ノーマルカムの場合は、上死点でバルブタイミングを調整すれば良いのですが、レーシングカムでは、この調整方法だと最低でも5°ほどずれてしまうということです。
レーシングカムの調整方法を聞いて、「なるほど!」と思ったのですが、ここでチューナー苦心の結果を公開するわけにはいかないので、もし知りたい人がいらっしゃいましたら、北陸くるま情報サイトTwitterより問合せください。
このエンジンは、チューニングされているのですが、ストリートでも普通に走ることができるようにセッティングされています。
しかも旧車にありがちな「エンジン始動性が悪い、始動後明らかに調整不備である」という現象が全く起きていません。これがバルブタイミングの重要性とつながります。
しかもエアコン(クーラー)も装備されていて、夏でも普通に走行できる快適仕様です。
ちなみにエンジン掛け始めから直ぐに、マフラーから水が出るという非常に緻密にセッティングが施されているパワーユニットだと思いました。マフラーも大径マフラーを採用しているのですが、4気筒すべてで同調が取れていると感じられます。
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旧車サニトラを所有するには?
サニトラを所有するには、どのような注意点が必要なのでしょうか?
修理の際には、費用が掛かることを覚悟
先程も話ししましたが、サニトラは大きな変更を行わないで、2008年まで販売されていたモデルです。この販売期間のことから、他の旧車に比べたら補償パーツなどを探すのは比較的簡単です(あくまでも他の旧車に比べて)。
それでも旧車の領域になってるサニトラを所有し続けることになれば、それなりのメンテナンス費用が掛かると思った方が良いでしょう。
筆者は、以前510ブルーバードやS30Zに乗っていました。そのころから比べると、パーツ代金や工賃などが上がっています。ただ日産系の旧車パーツは他メーカーよりも探しやすい傾向にあります。
一般的な1500㏄クラスの車に年間5万円〜10万円ほどのメンテナンスパーツ代を考えておけば、維持できると考えます。
また旧車は、現代モデルのように構造が複雑ではありません。普段の整備から重整備まで、信頼の置ける整備工場を持っている事も重要と考えます。
昨今の旧車ブームで、車両価格も高騰化
この車をチューニングした方は、私の大先輩です。そして旧車チューニングを専門としている方でもあります。この大先輩は、L型・A型を中心にチューニング・販売も行っています。
昨今の旧車車両高騰によって、ベースモデルの入手がかなり難しくなっていると感じているようです。大先輩所有の旧車は、ハコスカ、510ブル、サニトラ2台、サニー1台、、、etcとチューニング済みの車が沢山あります。
今回取材したサニトラは、本人チューニング&所有なのですが、販売できる車両のようです。参考価格で260万円ですが、旧車高騰の中でも、このチューニング内容であれば安いと感じます。
高騰しているとはいえ、今の車にはない車を味わえるという最大の喜びが、このサニトラにはあると考えます。