比較的古い年式のミニバンやクロスカントリーモデルは、車両重量が重たいことから、テーパータイプのハブベアリングが使用されている場合があります。本記事では、一般的なハブベアリングでないテーパータイプの場合での整備方法などについて解説してみます。
「テーパータイプ」ハブベアリングのグリス交換手順紹介! ~役割~
そもそもハブベアリングとはどのような役割があるのでしょうか?
そもそもハブベアリングの役割とは?
エンジン回転を路面に伝えるために、タイヤが装着されています。このタイヤ(直接付いているのはホイール)は、ハブというパーツを介して回転するのですが、その回転を円滑にするためにハブベアリングが装備されています。
ハブベアリングが故障すると、ゴロゴロやウォーンといった異音が発生し、放置するとタイヤが正常回転せず、事故などにつながるので注意しましょう。
ハブベアリングの種類にはどんなのがあるの?
ハブベアリングには、大きく分けて2種類が車用に採用されています。一般的なハブベアリングは、上記のように一体形成された中にボールベアリングとグリスが注入されているタイプです。
このタイプのハブベアリングは、故障が少なくなるように進化が進み、第三世代までアップデートされているようです。
もう一つは、テーパータイプのハブベアリングです。こちらは、円すいころが合わせられ、グリスが注入されているタイプです。こういう方式は、トラックなどの重量が重たい車に多く採用されています。
「テーパータイプ」ハブベアリングのグリス交換手順紹介! ~分解・グリス交換作業~
ここでは、乗用車で採用されることが少なくなったテーパータイプのハブベアリングの分解とグリス交換手順を紹介してみます。
ハブベアリングまでアクセスする
まずは、センターシャフトのキャップを外して、スナップリングを取ります。
ハブカバーを取り外すために12㎜のソケットを使用します。
ハブカバーが取り外せました。
ハブカバーを取り外すと二枚のプレートが出てきます。こちらも順番に取り外してしまいます。すると、ローター丸ごとハブ一体で取り外せます。
ハブベアリングパーツを綺麗にしグリス交換
中の円すいころを外すと、上記画像のような状態になります。中の汚れたグリスを取り除き、新しいグリスを注入していきます。
組み込まれていたパーツは、上記画像のようになっています。順番を間違わないように記憶しておきましょう。
ハブベアリングを元に戻し組付ける
グリス交換が無事に終わったら、外したパーツを元に戻して作業は終了です。フロント左右で1時間前後の作業時間でしょうか。
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「テーパータイプ」ハブベアリングのグリス交換手順紹介! ~注意点~
今では珍しくなった乗用車のテーパータイプハブベアリングの作業をする際には、どのような注意点があるのでしょうか?
テーパータイプにはプレロードが重要
テーパータイプは、現在主流の一体式ハブベアリングとは違い、二つを合わせるタイプになっています。この合わせタイプは、円すいころ同士の空間が大事になります。
この隙間をプレロードというのですが、緩いとタイヤにガタが出ます。逆にきつ過ぎると、タイヤの回転が重くなったり、ハブベアリングが焼き付いたりします。
グリス切れは焼き付きの原因になる
今回は、汚れてしまったグリスを新しいグリスに入れ替えるという作業をしました。古いグリスは、真っ黒な感じとなっていて、さらに粘り気も落ちていました。
このグリスが減ってしまうと、ハブベアリング部分が焼き付いてしまいます。定期的にグリスを入れ替えてあげること事で、テーパータイプのハブベアリングはすごく長持ちします。