エバポレータークリーナーを使用して車のエアコンを消臭する方法について解説します。エアコンが「臭い!」「嫌な匂いがする」といった方は芳香剤・消臭剤よりも、エアコンシステム本体の根本原因に効果がある「エバポレータークリーナー」を試してみましょう。
車のエアコン消臭「エバポレータークリーナー」使い方・効果 ~はじめに~
本記事では、車のエアコンを消臭するために「エバポレータークリーナー」というアイテムを使用します。まずは「エバポレータークリーナー」とは一体どういったアイテムなのか紹介します。
「クイックエバポレータークリーナーV」とは
今回使用するエバポレータークリーナーの正式名称は、「クイックエバポレータークリーナーV」(品番:V9354-0009)という商品です。「クイックエバポレータークリーナーV」は、トヨタグループの部品販売メーカーである「タクティー」から販売されています。
また、「クイックエバポレータークリーナーV」は個人でも一部車種を除いて簡単に施工できますが「業務用」とされており、トヨタ系のディーラーでも販売されています。
役割
車のエアコンには熱を持った空気から熱を奪って熱を冷やすための「エバポレーター」という部品があります。この熱を奪うときに結露が発生します。エアコン動作中であればこの結露がどんどん発生して、車外へ排出されます。
しかし、エアコンOFFになるとこの結露がそのままになりカビや雑菌が繁殖してしまい、匂いの原因となります。「クイックエバポレータークリーナーV」は洗浄剤を使用して、エバポレーター内を洗浄した後、結露による水で洗浄した汚れを洗い流すことで消臭を行います。
また、洗浄剤には抗菌剤も含まれており消臭以外に、施工後のカビや雑菌繁殖に対する抗菌効果が期待できます。
「臭い」を解消
前述の通り、よくある消臭剤や芳香剤のように匂いを誤魔化すのではなくエアコンシステム内の匂いの原因となる、エバポレーター内を洗浄できることからエアコンの「臭い」を解消できると期待できます。また、抗菌効果については施工後1年程度効果があるとされています。
車のエアコン消臭「エバポレータークリーナー」使い方・効果 ~作業手順~
実際にクイックエバポレータークリーナーVを使用して、車のエアコンを消臭してみます。今回施工を行った車は、ダイハツのミラココアです。2011年式で走行距離は80,000kmほど。これまでエバポレータークリーナーを使った消臭は行ったことがありません。
使い方・作業手順
まずは、エアコンの送風口をすべて開きます。
助手席側も忘れずに開きましょう。
エアコンを下記状態にセットします。
- A/C:オフ
- オートエアコン(Auto):オフ
- MODE:FACE(フェイス・顔)
- 設定温度:Lo(最低温度)
- 風量:最大(MAX)
- 内外気:内気循環
グローブボックスを取り外します。車によってはグローブボックスが勢いよく開くのを防止するために、ダンパーついています。まずは、ダンパーを取り外します。ダンパーの根本の引掛けを外側に動かすことで外すことができます。
ダンパーを外したら、グローブボックスを取り外します。グローブボックスは上部にある引っ掛けを内側に押し込むことで取り外すことができます。
クリーンエアフィルター(エアコンフィルター)の蓋を取り外します。
クリーンエアフィルターを取り外します。これでエバポレーターにアクセスできます。
次にエバポレータークリーナーを準備します。まずは付属のホースを缶の吹き出し口に挿します。
上記画像のように付属のプラスチックステーにホースを通します。
プラスチックステーについている両面テープを、エバポレーターに貼り付けてホースの先がエバポレーターの内部へ向くようにします。
稀に液剤が垂れてくることがあるので、エバポレーター下にダンボールなどを敷いておきます。
ホースを設置したら、缶のレバーを押してエバポレータークリーナー洗浄液を噴射します。液剤の噴射が終わるまで3分程度待ちます。
噴射が完了したら、取り付けたホースとプラスチックステーを取り外します。
これまでのエアコン設定はそのままでA/Cのみオンにします。
これで5~10分程度エアコンを動作させると、発生した結露と一緒にエバポレーター内の洗浄剤が洗い流されてきます。
クイックエバポレータークリーナーVには、抗菌シートが付属します。
DRIVE JOYと書かれたケースを開くと、中から時期ステッカーと両面テープが出てきます。
銀色の袋に入ったシートをDRIVE JOYケースに入れます。
付属していた両面テープを使ってケースをクリーンエアフィルターの蓋に貼り付けます。(貼り付けが難しい場合は、グローブボックスの裏面などに貼り付け)
A/Cをオンにしてから5~10分ほど経ったら、元にも戻していきます。まずはクリーンエアフィルターを取り付けます。
抗菌シートを貼り付けた蓋を取り付けます。
グローブボックスを取り付けます。
最初に取り外したダンパーも忘れずに取り付けます。
グローブボックスを閉めて作業完了です。
液剤噴射やA/Cオン後の洗浄待ち時間含めても20分程度で施工できます。
効果
今回、エバポレータークリーナーを施工した車は作業前、エアコンから若干カビ臭く酸っぱいような臭いがしていました。作業後、再度臭いを確認してみたところ作業前のような嫌な臭いはなく、若干液剤の清涼感のある臭いが感じられるものの無臭に近い状態に改善されました。
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車のエアコン消臭「エバポレータークリーナー」使い方・効果 ~注意点~
エバポレータークリーナーは消臭剤や芳香剤といった臭いを誤魔化す商品と比較して、かなり効果的にエアコンの消臭を行ってくれます。また、自分でも簡単に施工できる場合がほとんどですが注意点もあるので解説します。
車種によっては作業性が悪い
エバポレータークリーナーを施工する際には、クリーンエアフィルターを外すことになります。基本的にほとんどの車種はグローブボックスを本記事と同じような方法で外せば、エバポレーターへアクセスできます。
しかし、車種(一部日産車等)によっては、クリーンエアフィルターを外すまでのアクセスが非常に面倒で慣れていない方にとっては難しい場合もあります。心配な方は作業前に、自分の車は簡単にクリーンエアフィルターまでアクセスできそうか、下調べを行いましょう。
フィルター同時交換がおすすめ
前述の通り、エバポレータークリーナー施工時にはクリーンエアフィルター(エアコンフィルター)を取り外します。クリーンエアフィルターについてもそれ自体に消臭効果があり、効果に期限があるものがほとんどです。
そのため、エバポレータークリーナーを行う場合にはついで作業として、クリーンエアフィルターについても同時交換するのがおすすめです。
定期施工が効果的
エバポレータークリーナーは、エバポレーター内の洗浄を行い抗菌も行ってくれます。しかし、その後エアコンを使用しているうちに再び臭いが気になり出してくることもあります。
そのため、エバポレータークリーナーは定期的に行うことをおすすめします。本記事で使用した、クイックエバポレータークリーナーVの場合には1年ごとの施工がおすすめです。