所有者から、相談が入りました。「エンジンキーをオンにするとブレーキランプが勝手に点灯してしまう」という現象のようです。本記事では、ミニキャブのテールランプ不良を診断して修理しながら、こういったケースの修理は案外大変であるというお話をしてみます。
ミニキャブのテールランプ不良の原因を調査
かなり特殊な不良症状であると感じます。まずは原因を調査しないと修理できません。
所有者から話を聴取
所有者の話によると、
- エンジンを切るとテールランプは消える。実際にはブレーキランプが点灯している
- キーをオンにすると、テールランプが点灯してしまう。
このことから、ブレーキランプスイッチの可能性が消えました。ブレーキランプスイッチが故障の場合は、エンジンを切っても点灯し続けるからです。
ミニキャブのテールランプ不良の原因を推理・診断
じつは、故障修理アルアルな話なのですが、入庫したときはその症状が中々再現されませんでした。
何気なく、ダッシュ周りのスイッチのオンオフをして様子を調査していたときに、上の動画のような症状が出現しました。
リアの熱線ボタンをオンにすると何故かテールランプが点灯し、オフにするとテールランプが消灯するという現象です。
筆者は、何となく嫌な予感がしました。それは、どこかの配線がおかしくなっているという点です。
こういった症状になったので、ミニキャブテールランプ不良の原因は、配線系統という診断結果になりました。
ミニキャブのテールランプ不良をDIYで修理
それでは、ミニキャブのテールランプ不良をDIY修理してみます。
推理した配線箇所を調査・修復作業する
リアの熱線で、テールランプが点灯すると云う事は、リア回りのどこかの配線などであろうという結論に達しました。
熱線のアースを外しても、熱線スイッチオンでテールランプが点灯したので、リアだとしてもそれよりも前の所で異常が発生していると考えました。
どうやら、クォーターパネル内の配線関係が怪しいと推察されたので調査しました。すると、上記のような状態のカプラーが一個出てきました。
これは、メーカーさんに少し問いかけしたいのですが、防水にもなっていないカプラーを水が掛かりやすい所に使用して良いのでしょうか?という疑問です。
腐食などによって、10本以上あろうかという配線の7本くらいが千切れていました。
とにかく配線を全て修復していく
カプラーは、もう使用できないので、とにかく時間をかけて、配線を全て修復し接続するしかありません。
二時間くらいかかったでしょうか。全部の配線を修復し終わりました。何度か試験しながら、修復しては、防水チューブで保護というのを繰り返しました。
その後、防水や漏電防止のために絶縁テープで数回往復し、養生しております。
試験稼働させ修復完了と正しい配線かをチェック
すでに原因追求から復旧作業まで4時間を要していました。恐縮です、完成動画を撮り忘れました。
- リアの熱線ボタンのオンオフで、テールランプは点灯消灯しません。
- テールのスモール、ブレーキ、バック、ウィンカーは全て正常に点灯しました。
完治しました!
破壊した箇所を修復する
今回は、パネル内に収納されているカプラーに不良が起きていましたので、どうにもこうにも作業ができませんでした。所有者の了解を得て、一旦パネルをめくることにしました。これらの修復作業をしました。
もともと装着されていた防水ゴムを再利用し、配線断裂や雨水進入を防ぎます。あとは、切ったところをコーキングでしっかり防水し作業終了です。
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ミニキャブのテールランプ不良では?
ここでは、テールランプなど電気系統の故障・不良の際には、どの様な点に注意すると良いかなど解説します。
配線修理はかなり大変な作業
配線修理は、すごく大変な作業といえます。車のどの部分に問題があるのかが、非常に難しいからです。そして、テスターなどを使用しても推理しづらいのも特徴です。
配線系統の診断・修理には、かなり時間がかかると思った方が良いでしょう。
筆者が、不調症状を聞いた段階での不調予想箇所は、
- テールランプ配線のカプラー間
- テールランプリレー
- テールランプコントロールユニット
を想像してました。しかし全て外れていました。実は、パーツ購入も先にしていたので大失敗です。所有者の費用負担が大きくなってしまいました。
症状からどのくらい推理できるかも重要
配線などの不良では、症状からどの様な問題が車に起きているかをどの位推理できるかというのが重要と実感しました。「修理は推理」という言葉が身に沁みました。