エンジン回転が上がらず、20㎞〜30㎞しか速度が出ないという相談がありました。その車を持っている方が、「ダイレクトイグニッションコイル」を買ったから交換してとのお話でした。本記事では、初心者向けにクリッパーのコイル交換と注意点などを解説します。
【初心者向け】そもそもダイレクトイグニッションコイルって?
ダイレクトイグニッションコイルは、現在のガソリン車の多くに使用されています。
現在主流になっている点火方式がダイレクトイグニッションコイル
現代の車には、ECUが搭載されています。ECUからの信号を基に、ダイレクトイグニッションコイルに電気が運ばれます。
ダイレクトイグニッションコイルには、一次コイル・二次コイルが巻かれており、最終的に2万ボルト以上の電気でプラグをスパークさせる仕組みです。
一昔前まではプラグコード+点火コイル
一昔前では、デスビで点火時期調整し、点火コイルで電圧を高め、プラグコードで電気を送り、プラグをスパークさせていました。
長らくこの方式を採用していたと思います。筆者が乗っていた昭和46年式ブルーバードや平成15年のアルテッツァなどもこの方式でした。
【初心者向け】クリッパーのダイレクトイグニッションコイル交換
ここでは、すごく簡単にできるクリッパーのダイレクトイグニッションコイルを交換していきます。
ダイレクトイグニッションコイルのコネクターを外す
クリッパーのイグニッションコイルは、助手席シートを持ち上げるとダイレクトイグニッションコイルが「ここにあります」と見えます。
まずは、ダイレクトイグニッションコイルのコネクターを外します。初めての場合は結構固いですが、しっかり手で外す事が大切です。
10㎜のボルトを外して古いダイレクトイグニッションコイルを抜く
ダイレクトイグニッションコイルは、10㎜のボルトで止まっています。これを外してあげれば、イグニッションコイルを引き抜けます。
新しいダイレクトイグニッションコイルを取り付けて終了
すみません、ちょっと画像がボケてしまいましたが、新しいダイレクトイグニッションコイルへの交換が終わりました。交換まで10分くらいです。
本来であれば、プラグ交換も同時に行えば良いのですが、所有者の話では、少し前にプラグは交換したとのことで未チェックで取り付けました。
最終的に検査機でチェックして、問題ないことを確認しました。この部分は、初心者ではできないので、不具合個所の特定をしたいときは、プラグに火花が飛ぶかの検査をすると良いでしょう。
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【初心者向け】ダイレクトイグニッションコイル交換の注意点
ダイレクトイグニッションコイル交換での注意点を解説します。
交換遅れとなってしまった原因【適合しない商品】
今回は、ダイレクトイグニッションコイルを所有者が用意してくれました。ここで問題が発覚しました。そもそもお持ちいただいたダイレクトイグニッションコイルが適合していません。
このクリッパーは、平成25年式です。クリッパーは、3G83というエンジンなのですが、平成23年10月までのモデルとそれ以降のモデルで、使用されているダイレクトイグニッションコイルが違います。
間違った商品がとりあえず付くのか作業してみます。上の画像のように逆さにつけても付かないという状況でした。
結果パーツ代が高くつき、修理期間も数日長くかかることになりました。パーツを購入する際は、車体番号、初度登録、類別区分、型式指定番号などによって、しっかりと適合確認してから購入しましょう。
ダイレクトイグニッションコイルのコネクター破損に注意
ダイレクトイグニッションコイルのコネクターは、非常に硬く止まっています。爪を破損させないように手だけで作業しましょう。また配線を引っ張って外すのは避けましょう。
ダイレクトイグニッションコイルは全数交換が基本
一般的に軽自動車エンジンは、3気筒が多いと考えます。ダイレクトイグニッションコイルは電化製品です。一本不具合が起きるということは、残りも不具合が出る可能性が高いといえます。全数交換するのが基本です。