「風は出るけど、ヒーターが冷たいんです!?」という相談が入りました。暖まらない車は、スズキエブリィです。冬になると、なぜかヒーターが暖まらないという車が増えていきます。本記事では、エブリィのヒーターが冷たい原因やサーモスタットなどの交換について解説します。
エブリィのヒーターが冷たい!?【原因究明】
まずは、ヒーターが暖まらない原因を究明していきます。原因が推理できないと、部品などを交換しても直らない可能性があります。
エブリィのヒーターが冷たい症状から
ユーザーの方から暖まらない状況をうかがうと・・・
- 寒い日(気温が下がると)ヒーターが冷たくなっていく
- メーター内の水温インジケーターが1時間走行しても点灯するときがある
- 止まっているときは比較的暖かいが、走行すると冷たくなる
エブリィのラジエター周りやホース類がぬるい
そこで直ぐに車のラジエターキャップやホースを点検してみると、暖かいはずのこれらが、なんだかぬるい状況です。
エブリィのラジエター前に段ボールを設置して検証
そこでエブリィのラジエター前に段ボールを設置(ラジエターの半分くらい)して、一日走行してもらうことにしました。
すると段ボールが設置してあると、走行中も暖かい風が出てくるとのことでした。またメーター内インジケーターも点灯しなかったようです。
このことから、ラジエター液関連に使用されているパーツに不具合が出ていると診断しました。多分サーモスタットが開きっぱなしか反応が悪いのではという推理です。
エブリィのヒーターが冷たい!?【サーモスタットなどの交換手順】
パーツが届いたので、翌日届いたパーツの交換作業をしていきます。
エブリィのラジエター液を抜く
サーモスタットなどを交換するときは、ラジエター液があふれ出てきます。ラジエター液がエンジンなどに付着すると、甘い臭いがなかなか取れないので、ラジエター液を抜いてしまいます。
アンダーカバーを外し、ドレンボルトを緩めて、ラジエターキャップを外してラジエター液を抜き取ります。
サーモスタットを交換する
エブリィのサーモスタットを交換するときは、運転席と助手席の間にあるコンソールボックスを外す必要があります。
コンソールボックスを外し、敷き板を外してしまいます。クリップとネジで止まっているだけなので、比較的簡単に外せるでしょう。
サーモスタットが装着されているパーツが見えてきます。サーモスタットの上蓋にあるラジエターキャップみたいな蓋もサビサビになっています。
12㎜のボルトを2本外すと、サーモスタットの上蓋が外せます。
新しいサーモスタットを装着して、元に戻してあげます。ジグルバルブというエア抜きパーツが、サーモスタットに付いています。
エア抜きパーツですので、基本的には一番高い位置にこのバルブが来るように設置してあげましょう。
サーモスタットの上蓋にあるキャップも交換する
サーモスタットの上蓋にあるキャップも交換しましょう。ラジエターキャップと同じようなキャップです。
筆者的には、サーモスタットだけでなくこのパーツが不具合を起こしている可能性が高いと感じました。新品は中のパーツがしっかり稼働するのに対して、サビサビの古いパーツは、固着して全く動きませんでした。
エブリィにラジエター液を投入する
抜いたラジエター液を元に戻してあげます。抜けた分をそのまま戻してあげるのが良いでしょう。その後エア抜きを行い、新しいラジエターキャップを装着します。
ラジエターキャップを交換する
ラジエターキャップも新品に交換します。
こちらは、ラジエター液を再度投入してから交換します。作業後はエア抜きを行いましょう
試験稼働させて一日様子を見る
ここまでの作業を行ったら、一日おいて試験稼働してみます。一日置くのは、エンジンが冷え切った状態からどの様に暖まるかを検証するためです。
無事に走行中も暖かい風が出てくるようになりました。
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エブリィのヒーターが冷たい!?【注意点】
エブリィのヒーターが冷えない際の注意点には、どの様なものがあるのでしょうか?
オーバーヒートやオーバークールの可能性
サーモスタットは、エンジン内部の温度を管理するために重要なパーツです。サーモスタットが閉まりっぱなしになるとオーバーヒートになりますし、開きっぱなしになるとオーバークールになります。
どちらの症状も、エンジンにとって非常に負担のかかる状態です。気を付けたい症状と考えます。
交換するときは、関連パーツをすべて交換するのが良い!
今回交換したパーツ代は、全部で3000円位です。こういったパーツ代を節約しようとして、サーモスタットだけ交換しても、故障状況が変わらない可能性があります。
またこれらのパーツは、サーモスタット交換時に触れるパーツでもあります。パーツを用意して置けば、これらの故障が発見されても慌てず交換することが可能です。不具合個所が不特定の時は、全てのパーツを交換するのが良いでしょう。