エンジンの振動が、アクセルとかブレーキに伝わってくるという相談を頂きました。車の振動や異音というのは、原因特定や修理が案外厄介なものです。本記事では、ワゴンRのエンジンマウントをDIYで交換する手順や、作業時の注意点などを解説していきます。
【ワゴンR】「エンジンマウント」~役割・現状~

ここでは、ワゴンRのエンジンマウント現状やエンジンマウントの役割について解説していきます。
【ワゴンR】「エンジンマウント」現状
エンジンを手でゆすってみると、見えているエンジンマウントがかなりグラグラと動く状況です。エンジンマウントは、ゴムでできています。そのため劣化してくると、本来の機能が果たせない事となります。
エンジンマウントの役割とは?
エンジンは、車体の上に乗せられています。もしエンジンとボディが鉄同士で接合されていると、エンジンの振動が直接ボディに伝わり、乗り心地が悪くなります。
そのため、通常は複数(三個以上)のゴム製エンジンマウントで支えることで、エンジンの振動を吸収しています。エンジンマウントが機能しなくなるということは、エンジンの振動がボディーに伝わりやすくなるという事です。
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【ワゴンR】「エンジンマウント」~交換作業~

エンジンマウントをDIY交換してみて、かなりの重労働となりました。また注意点もかなりあると感じます。ここでは、ワゴンRのエンジンマウントをDIY交換してみての作業工程や注意点を解説します。
運転席側エンジンマウントをDIY交換

まずは、エンジンルームから見えているエンジンマウントを交換します。それは、運転席側です。最初に行うのは、必ずジャッキでエンジンを支えてから作業しましょう。これをしないと作業が進みません。

一番簡単かと思われた運転席側のエンジンマウント作業では、グリル、バンパー、右ヘッドライトを外す必要があります。これらを外すと、14㎜のボルト・ナットが外せます。

ジャッキを最初に掛ける理由は、エンジンマウントを止めているセンターボルトを抜くにも装着するにもジャッキの力を借りるからです。センターボルトを抜きときや装着するときには、ジャッキでエンジンを上下に調整しながらスムーズにボルトを抜き差しできる位置を探ります。
助手席側エンジンマウントをDIY交換

助手席側エンジンマウントは、バッテリーの下に装備されています。そのためバッテリー、バッテリーケースなどを外すことから始まります。

助手席側は、エンジンマウントだけを外すことが難しい構造でした。そのためブラケットも外して交換していきます。
リア側エンジンマウント交換

リア側エンジンマウントは、下にもぐって行う必要があります。また運転席、助手席とは違いかなりボルトが錆びて固着しています。たっぷりと潤滑スプレーなどを塗布して、さらにボルトが折れないように慎重に作業しましょう。

緩める方に回すだけだと、ネジが折れる事が多いので、緩めたり締めたりしながら緩めていくのが良いでしょう。
上記は、リアのエンジンマウント新旧です。とはいえ、新エンジンマウントは、中古良品です。新品純正で3点購入すると、30000円を超える部品代となる為、今回はこういった部品となりました。
因みに中古良品エンジンマウントは、送料込みで8000円位でした。中古を購入の際は、適合確認することと、良品確認してから購入するのが良いでしょう。
外したエンジンマウントを検査してみた!
上記動画は、助手席側エンジンマウントです。どうでしょうか?千切れているところもあり、もうエンジンマウントの役目を果たしていませんでした。
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【ワゴンR】「エンジンマウント」~交換時の注意点~

エンジンマウント交換では、「ケガしないように」と「作業性を向上させる」が大事です。いくつか最低限の注意点を紹介します。
適切な場所に必ずジャッキ作業をする
最初にお話ししましたが、エンジンマウント交換する場合は、適切な場所に適切な方法でジャッキをかける必要があります。
例えばオイルパンにジャッキをかける時は、面積の広くさらに厚めの木材を使用して、オイルパンへの影響を減らす方法が良いでしょう。
最初にジャッキをかけることで、エンジンを多少上下させることが可能になり、エンジンマウントのセンターボルトを抜き差しすることができます。
エンジンマウントは、必ず一か所ずつ交換する
エンジンマウント交換作業する際は、一か所ずつ丁寧に作業することが大事です。エンジンを支えているのが、エンジンマウントだけだからです。
複数個所のエンジンマウントを外すと、上下だけでなく左右も位置ズレを起こし、作業できなくなります。