タイロッドやロアアームには、ゴムブッシュが採用されています。ゴムで出来ているという事は、経年劣化で破損する可能性が高いという事です。本記事では、これらのパーツやゴムブッシュを交換しながら、DIYでトーイン調整する所まで解説します。
タイロッドエンドASSY交換
まずは、タイロッドエンドASSYを交換します。本来ならば、タイロッドエンドブーツだけ交換したいところですが、ASSY交換になりました。理由は、後で解説します。
タイロッドエンドASSY交換手順
タイロッドエンドを止めているナットを緩めます。その後タイロッドエンドプーラーを使用して、タイロッドをナックルから引き抜きます。
本来であれば、この後タイロッドエンドブーツのみを交換すればよいのですが、取り付けられていたタイロッドエンドが純正ではないため、純正ブーツ(カシメ式)交換ができない状態でした。付いていたタイロッドエンドブーツは、ワイヤー式でした。
そのため社外のタイロッドエンドASSYを購入(4500円位)しました。
タイロッドエンドを取り付けし、最後に割りピンを差し込み片側が終了になります。逆側も同じ手順で交換します。作業時間は、大体45分程度です。
タイロッドエンド交換の注意点とは?
新しいタイロッドエンドを取り付ける前に、古いタイロッドエンド取付位置をマーキングしておきます。この作業をしないと、最後に行うトーイン調整が大変になります。
純正タイロッドエンドも社外タイロッドエンドも、もともと付いていたタイロッドエンドと長さが違うケースが多く発生します。
今回も新しいタイロッドエンドの方が、1〜1.5㎜ほど短かったです。この確認作業も後のトーイン調整を楽にするために重要です。長さが違う分を見越して組み付ける必要があります。
日本の車は、ネジピッチが1.25mmか1.5㎜のものがほとんどです。タイロッドエンドが3㎜短ければ2山から3山ほどのネジ山を考えて取り付けることになります。
社外品のタイロッドエンドASSYは、純正品より1割ほど安いです。
ロアアームボールジョイントブーツ交換
ロアアームブーツを交換していきます。ここでは、トラブルも発生しました。
ロアアームボールジョイントブーツ交換手順
ロアアームボールジョイントブーツも、サクッと交換しようとした矢先でした。ロアアームジョイント部が、ドライブシャフトが干渉して抜けなさそうです。
ということで、ドライブシャフトを抜く作業をします。センターキャップを外して、スナップリングを外すと、ドライブシャフトがフリーになります。
この車は、ロアアームとロアアームボールジョイントが分割されています。ロアアームボールジョイント部を外してブーツ交換します。
ロアアームボールジョイントブーツは、カシメ式です。上記動画のように取り付けしていきます。左右交換したら終了です。ロアアームブーツは、1時間半くらいかかりました。
ボールジョイントブーツは、1個350円から500円前後です。
ロアアームボールジョイントブーツ交換の注意点とは?
ロアアームボールジョイントブーツ交換の際は、ドライブシャフトが干渉するモデルが多くなります。その場合は、追加でドライブシャフトをフリーにする必要があります。交換する前に構造など見ておくと良いでしょう。
[PR]車検の予約は楽天Car車検!楽天ポイントゲット!
DIYでトーイン調整する方法
足回りを交換したら、トーイン調整やアライメント調整することが必須です。
今回交換した車は、フロントのトーイン調整しかできないモデルでした。という事は、アライメント測定はできても、調整はトーインしかできません。そこで原始的ではありますが、DIYでトーイン調整をしてみます。この作業は2人いればやりやすいと思います。
- 一度車を走行させ、ハンドルセンター位置を確定させます。
- フロントの左右タイヤに目印をつけます。目印は同じ場所に付けます。
- フロントタイヤの前側の距離を図ります(153.4㎜)
- タイヤを回して、前と対角線になる位置で後ろ側を図ります(153.1㎜)
- タイロッドエンドを回して、トーイン調整します(約90度回しました)。
- これで再度測定します(前152.9 後ろ153.1~2)
- もう一度走行し、問題なければ終了です。
今回交換作業した車は、タイヤの内側がヘリが早い感じです。トーインゼロでなく、若干のトーインとなるように作業しました。
- 調整前の左右タイヤの距離:前153.4 後ろ153.1➡トーアウト
- 調整後の左右タイヤの距離:前152.9 後ろ153.1~2➡トーイン
DIYでのトーイン調整注意点
トーイン調整は、DIYで正式な計算をするには、ハブセンターからの距離やタイロッドエンドまでの距離などが必要となります。調整するための数字を聞いておきました。大体1周(1.25㎜)以内で収まる範囲とのことでした。
タイロッドエンド交換する際には、上記のようにマークを付けてほぼ同じ位置に取り付けすれば、タイロッドエンド調整の際にエンドを2週回すという作業にはならないと考えます。
一般的には、1/4回転から1回転以内で調整できると考えます。やたら回すと言う作業はやめておきましょう。