車には様々な油脂が使われています。中でもATFは、ATミッションを正確に稼働させるための必須油脂です。本記事では、ATF交換の重要性・DIYでATF交換する作業手順や注意点・さらにATF交換方法には種類があることなどを解説します。
【ATF】交換方法・手順と定期交換の必要性 ~交換は必要?~
ATFは、交換が必要なのでしょうか。定期交換をした方が良い理由などを解説していきます。
ATF交換のメーカー指定基準は?
実際に車を製造しているメーカーや販売しているディーラーでは、ATF交換をどのように捉えているのでしょうか。
トヨタのとあるディーラーでは、3~5万キロ又は、2年から3年くらいでATF交換するのが良いと掲示しています。車検毎に提案されることが多いです。日産では、4万キロ毎に交換する事が望ましいと公開しています。
新車から何年までATは保証されるの? ~ATやATFの保証
現在では、上記のように定期交換を推奨しているディーラーなどもあります。しかしながら、「ATFを交換したい」とお店に行くと、「10万キロまで交換しなくて良いです」や「無交換」と言われることがあるようです。基本的にはATFは自然に減少することが無いため、交換は不要といった考えが一般化されています。
では、もしお乗りになっている車のATが故障した場合は、どのような保証が受けられるのでしょうか。そもそもATFなどの油脂類の保証は、各メーカーでは「無い」のが現状です。またAT故障は、5年又は、10万キロという保証が主流になっています。
メーカーとしては、穿った言い方をしてしまうと「5年持てば、保証はなくなる」という事になります。ただユーザーは、壊れてしまうと「直すか、乗り換えるか」という事になりかねません。やはり故障する前にATFを定期交換するのが良いと言えるでしょう。
【ATF】交換方法・手順と定期交換の必要性 ~作業~
ATFをDIYで交換する場合は、どのような方法がるのでしょうか。今回は筆者が実践したATF交換方法を解説します。
DIYでは、ATFをドレンから抜きとる
全ての車に適用されるわけではないのですが、ATにオイルパンが付いていてドレンボルトがある場合は、DIY可能といえます。
まずは、ドレンボルトを緩めてATFを抜き取ります。このとき抜けたオイルの量がどの位か正確に計測しておきましょう。
DIYでは、ATFが抜けた分をレベルゲージから入れる
抜けた分のATFをレベルゲージから注入します。注入した後、エンジンをかけてシフトをP~1までゆっくりとシフトを動かして、Pまで戻します。これを2回ほど行います。この作業は、ATFを各シフトに循環させるためです。
オイルパンの液量や汚れ具合で変わりますが、このドレンから抜く、レベルゲージから入れるという作業をATF総量に対して、抜ける量の割合で数回行います。
このモデルは、8LのATF総量に対して、3Lのオイルパンからの抜ける量でしたので、2回作業しました。
ATFをDIYで交換する場合は、オイルを全量交換するという概念ではなく、継ぎ足しで綺麗にしていくというイメージで行うのが良いでしょう。
ATFをレベルゲージから入れる場合は、動画にもあるように自作のジョウゴなどを作成すると入れやすいでしょう。
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【ATF】交換方法・手順と定期交換の必要性 ~車種による違い~
DIYでATF交換する場合は、ドレンがあれば作業が可能です。ただドレンがないモデルも多く存在します。この場合は、ATFは交換できないのでしょうか。じつはATFには交換方法がいくつかあります。
ATF交換を下抜きで行う方式
先程実際に作業した方法が、この下抜きという作業になります。この方法は、一度でATFの交換はできませんが、ATFを綺麗にする方法としては比較的一般的な方法です。
ATF交換を圧送する方式
ATFをオイルクーラーなどから強制的に圧送、排出する方式です。輸入車などに多く見られる方法です。ただ圧送するという事は、勢いよくATFの注入・排出が行われるので、多走行や古い車にはリスクが高まるといえます。
最近では、ATF配管を洗浄しながらATF交換してくれるオート式の圧送式機械も登場しており、整備工場でのATF交換では主流の方法となっています。
AFT交換を上抜きで行う方式
整備工場やDIY用などの種類があるのですが、AFTのレベルゲージからATFを抜き、抜けた分だけ新油を入れるという方法です。
下抜きの作業を上抜きで行うといったイメージです。一般的な整備工場などではこの方式を多く採用しています。また手動式の上抜き機械があれば、ドレンのないATでもDIY作業することが可能です。
ATF交換するときは? ~注意点~
ATF交換は、どのような場合でもできるのでしょうか?場合によっては、ATF交換しない方がよい事もあります。
余りに汚れているATFの交換は、プロに相談
すでに10万キロ走行してしまっている場合や、10年以上ATFを交換したことがないという車は、DIYで交換作業するのはおススメできません。ATは、精密な機械です。この精密な機械の配管などに汚れが詰まったりするとATの調子が悪くなる可能性があるためです。
このような場合は、ATFに精通している整備工場などに相談しましょう。先述しました圧送式で配管を綺麗にしながら行う作業であれば、比較的安心という話があります。
ATFのフルード量は、多くても少なくても良くない
ATFは、非常に洗浄能力の高いフルードです。例えば油面が高くなると、AT内壁面についた汚れを更に落としてしまいます。ATFの液量は、非常に重要な要素になります。とくにDIYでは、しっかりと抜けた分を入れるように心がけましょう。