足回りは、乗客の乗り心地を左右するパーツですね。足回りから異音が出ている場合、安全のためになるべく早く原因を突き止め、パーツを交換するなどの処置をする必要があります。本記事では、ムーブのアッパーマウントガタによる交換修理を解説します。
足回りに異音が出る理由とは?~異音の原因~
今回のムーブは、アッパーマウントのガタによる交換修理でしたが、足回りの異音の原因にはどのような種類があるのでしょうか。
ショックアブソーバー本体の故障やスプリングの異音
ショックアブソーバー本体が故障した場合の異音としては、「コトコト」・「コトンコトン」と言う異音を発生するケースがい多いといえます。
これは、ショックの中に入っているオイル・ガスが抜けることで、ショック本来の減衰の役割を果たさなくなっているためです。
アッパーマウントのガタによる異音
アッパーマウントの異音としては、ハンドルを切って旋回するときに「ギシギシ」、段差などで「コトコト」という異音がします。今回のムーブでも同じような異音症状がしていました。
スタビライザー接続部のガタによる異音
スタビライザーやスタビライザーリンクでの異音は、比較的大きく「ガキン」というような異音がすると思います。これは、鉄と鉄がぶつかっている音のためです。
ムーブのアッパーマウント交換修理~交換手順~
異音の種類が解ったところで、ムーブのアッパーマウントを交換していきます。
ムーブのフロントショックを外す
まずは、ショックを外すための前準備です。ボンネットを開けて、左右両サイドにあるショックアッパー側のボルトを緩めておきます。この時は、緩めるだけにしておきます。
下側のボルト類を外し、ショックを抜いた時にいきなり落ちて来ないための対策です。ショックは、案外重いものです。怪我したり、ほかのパーツを傷つけない為にも緩めるだけにしておきます。
ムーブは、ショックにABS配線とブレーキ配線が取り付けられています。このパーツは、10㎜と12㎜のボルトで止まっています。これをフリーにします。
そしてショックとナックルアームの17㎜のボルトナットを取ります。これでショックの取り外しが可能になります。
17㎜のボルトは、固着していて抜けない時があります。こういう時は、ショックを持ち上げながらプラスチックハンマーなどで叩けば抜けます。
ムーブのフロントショックを分解する
ムーブのショックを分解します。この作業は、ケガしないために非常に重要な作業になります。画像撮影しながらしたかったのですが、撮影できませんでした。その代わり、解りやすい動画がありましたのでご紹介します。
ショックのセンターナットをいきなり緩めてしまうのは、非常に危険です。それは、縮められたサスペンションが勢いよく飛び出してしまうからです。
こういった時のために、スプリングコンプレッサーと言うアイテムがあります。左右均等にスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めておき、その後ショックセンターナットを緩めます。ショックセンターナットは、17㎜でした。
ムーブのフロントショックに新しいアッパーマウントを付け組む
ショックを分解した後は、ショックの液漏れチェックや減衰弱チェックなどをし、新しいアッパーマウントに切り替えて組付けていきます。
上記画像を見てもらえれば解るのですが、アッパーマウントの裏側形状が変更されています。どうやら異音発生を抑制できるような対策品になっているとのことです。
組み付けるときは、外すときの逆手順で行えば大丈夫です。慌てないでゆっくり順番通りに組み込めば失敗しないで済むでしょう。
締め付けなどをチェックして終了
締め付けなどがしっかり行えているか再度チェックします。チェックが終わりましたらタイヤを取り付けて、走行試験して異常がなければ終了です。ムーブの異音もなくなり、快調になりました。
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ムーブのアッパーマウント交換するときは?~注意点~
これは、ムーブだけではないのですが、アッパーマウントを交換するときは、下記のことに注意すると良いでしょう。
出来るならば、ショック交換もする方が良い
今回は、ユーザーの希望でアッパーマウントだけを交換しました。しかしながらアッパーマウントが異音を発生しているという事は、ショックなどもそれなりに傷んでいるといえます。
予算があるならば、ショックも一緒に交換する事をおすすめします。またアッパーマウント交換は、ほぼショック交換と一緒の作業工程になります。工賃的にも同じです。二回に分けて工賃がかかるよりも良いのではないでしょうか。
比較的交換が簡単な部類だが、サビでネジが回らないこともある
足回りパーツは、日々雨などで酷使されている部分です。当然サビもひどくなってきます。とくにショックとナックルアームを止めているボルトナットは、固着で回らないと言う可能性があります。
作業1日前に潤滑剤などを浸透させておくことで、作業がスムーズになります。また17㎜のメガネレンチが2本必要になりますし、インパクトがなければ長いシャフトなどを用意しておくと良いでしょう。
アッパーマウント交換の時は、左右それぞれで行う
アッパーマウントの左右を同時進行で行ってしまうと、組付けの際にどのパーツ順序が正しいか解らなくなってしまうことがあります。
片方ずつ行うことで、組付けで迷った時でも分解していない方のストラットを見ながら作業できます。