トラクションコントロールは、ドライバーに変わって車自体が安定走行管理する装備です。それは、4輪のブレーキコントロールやエンジン出力を車側で自働的に制御できるシステムだからです。本記事では、トラクションコントロールの役割や使い方などを説明します。
トラクションコントロール(TRC)の役割とは?【制御解説】
トラクションコントロールとは、具体的にどのような役割があるのでしょうか。同装備の役割などを解説します。
エンジン出力をコンピューターで制御
トラクションコントロールが付いていない車では、発進時タイヤの空転などを防ぐために、ドライバーがアクセルのオンオフを細かく調整する必要がありました。
これに対してトラクションコントロールが付いている車では、タイヤに付いている駆動輪(従動輪)速度センサーが空転を感知すると、エンジン出力を自働的に抑えてくれます。
ブレーキ制動をコンピューターで制御
またどれかのタイヤが空転した場合に、そのタイヤのABSを作動させることで、4輪が均一に回転するようにも制御されます。4輪全てが均一に回転することが安定走行に繋がるからです。
安定走行のためにある装備として、VSCというのがあります。こちらは、峠などのカーブが連続する道などで、タイヤが外に飛び出そうとする作用などを回転制御することで防いでくれるアイテムです。雪上などでは、大きな効果があるといえます。
トラクションコントロール(TRC)の作動手順とは?【仕組み解説】
トラクションコントロールは、どのような手順で作動するようになっているのでしょうか。
手順① 速度センサーで車の挙動を感知
トラクションコントロールは、車側のコンピューターで検知して作動させる仕組みです。そのため一般的には、各タイヤ側にセンサーが取り付けられています。複数のセンサーで車の挙動を検知することで作動します。
手順② ブレーキ制御やエンジン出力を抑え、安定走行へ
タイヤ側についたセンサーが、空転しているというのを検知すると、ブレーキ制動やエンジン出力を下げる信号が送られ、車が安定走行できるように自動制御されます。
近年では、「TRC」と先述した「VSC」が統合されて搭載されているモデルが増えています。それは、トラクションコントロールで適切なタイヤ回転を維持しながら横滑りを起こさないように制御することが、安定運転に大きく寄与するからです。
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トラクションコントロール(TRC)を上手に使うとは?【使用方法】
トラクションコントロールには、オンオフのスイッチが付いています。トラクションコントロールは、走行環境によって使い方があります。
雪道でスタックしたときや、悪路ではオフにする
雪道などでスタックした際は、そもそも滑ってしまって復帰できないケースになります。この状態でトラクションコントロール機能が働いてしまうと、ブレーキやエンジン出力を下げる働きのみになってしまいます。
こういった状況下では、トラクションコントロールをオフにしてスタックからの脱出を手動制御で行うと良いでしょう。
筆者は、一度だけ経験したことがあるのですが、TRCやVSCで制御しきれなくなると、システム自体がフリーズしてしまう経験でした(ハイブリッド)。一度パーキングなどに入れないとアクセルを踏んでも「うんともすんとも」言わない状況でした。
「TRC」を過信しすぎない、安全運転に努める
TRCは、氷上で滑る路面などで発進する場合などでは、非常に強力な装備といえます。しかしながら過信しすぎると、もしTRCで制御できる範囲を越えてしまった場合に重大な事故などにつながる可能性もあります。
あくまでも安心・安定走行できる装備の一つと考え、安全運転に心がけて走行することが一番大事と考えます。