車に乗っているときに、足回り付近から「ガタガタ」・「ガタン」などと異音がするのを聞いたことはありますでしょうか?ここでは、足回りでも比較的不具合の起きやすいロアアーム交換は、DIYで作業できるという話をしてみます。また作業時の注意点なども解説出来ればと考えます。
ロアアームの不具合って!?
ロアアームは、不具合が出た場合に最悪走行不能となる確率が高まります。ここでは、ロアアーム不具合の具体的な事例を紹介します。
ロアアームボールジョイントのガタ、脱落
一番多いのは、ロアアームとナックルアーム(ハブやブレーキローターなどのある部分)の接合部分にガタが出る現象です。接合部分のガタとロアアームボールジョイント自体のガタ・脱落発生が多いでしょう。
ロアアームボールジョイントは、中に丸い球が入っています。近年では樹脂製です。経年劣化だけでなく乗り方などでも、ガタの出やすいパーツです。
ロアアーム脱落、フェンダー破損、燃料タンク凹み、左ヘッドライト割れ
あとは上げてみんとわからん😭
本人軽くむちうちで病院送り😂レッカーでレスキュー中の間にも2台スピン、うち1台ガードレールに激突。
今日は嫌な日や😭 pic.twitter.com/cz0OyF471k— Jさん (@L235_) January 15, 2021
脱落すると、ドライブシャフトが抜けて走行できなくなってしまいます。
ロアアームブッシュ(ボディ側)の破損
ロアアームは、ボディ側とタイヤ側をつないで支えています。ボディ側では、ゴムブッシュが使用されているのですが、ゴムブッシュが劣化して破損することがあります。
異音発生だけでなく、まっすぐに走らないなど走行不安定が起こります。
ロアアーム腐食による折れ
ロアアームの折れは、塩害などの多い地域で発生する確率の高い破損です。ロアアームの多くは、鉄製です。しかも軽自動車などは、非常に薄い鉄です。
おはよーございます
なんだか入庫が相次いでいる気が汗
お盆前で慌ただしいのか?皆様運転お気をつけてです
ロアアーム腐食で走行中に脱落して事故ってしまったお車は廃車となりました汗https://t.co/zovpSkIdHW pic.twitter.com/6vpXP8TvLN
— 八戸市(有)谷川自動車の整備士1年生 (@tanikawacar) August 1, 2019
サビなどによって、ロアアームが折れる現象が起きます。
DIYでロアアーム交換をする手順
軽自動車のロアアーム交換は、「DIYでも可能」という話を作業しながら解説していきます。
ロアアーム不具合の出た車両紹介
今回作業した車は、15年ほど前のワゴンRです。ドライバーの知り合いなどから話を聞くと、所有車は、停車するかしないかでパーキングに入れるクセがあるようです。
ワゴンRのミッションは、左側についています。こういった操作は、ミッションにも勿論良くないのですが、ロアアームにも悪影響です。また居住地域は、豪雪地帯です。車線の左側に融雪剤や雪山が多く残存します。左側の負担は大きくなります。
破損しているロアアームの状態を確認
走行していると、かなり「ガタン」・「ガタ」と異音がしていたのですが、ジャッキアップして確認(上の参考動画参照)すると、かなりガタが出ているのが解りますね。
破損しているロアアームを外す
ロアアーム脱着では、邪魔になるメンバー補強バーを外します。
ロアアームの付け根のブッシュ接続のボルト2本を取り外します。
このモデルは、スタビライザーリンクとロアアームがボルト止めになっています。スタビライザーリンクを外します。
ロアアーム側のボルトを外します。
ロアアームボールジョイントとナックルを外します。
今回は、大きめのバリがあったのでそれで作業しましたが、DIYでバリがないという方もいると思います。傷ついてはならないところには、布などを使用し、木を上手く当てて、テコの原理で長い鉄の棒などでも外すことができます。
ここまでに使用した工具は、
12㎜・14㎜・17㎜・19㎜のボックス又はメガネレンチ、14㎜のスパナ、そして長めのバリだけです。
新しいロアアームを取り付ける
新品のロアアームを元の位置にはめ込みます。この作業が、「知恵の輪」的で一番難しいかもしれません。
2箇所のボルトを締めます。センター出しがしづらいときは、ボルトの頭をハンマーで少し叩くと作業しやすいです。この段階では、仮締めだけにしておきます。詳細は後述します。
ここで大事な作業に入ります。足回りを組むときは、1G状態(車が路面に設置している状態)で行う必要があります。今回は、ジャッキをあてて、1G状態を作ります。上のブッシュ側を仮締めしているのもこのためです。3箇所のネジをシッカリ締め付けましょう。
スタビライザーリンクも締め付けます。各ネジの締め付けと最初に外したメンバー補強バーも取り付けます。
ガタつきもなくなり、作業は終了しました。
[PR]車検の予約は楽天Car車検!楽天ポイントゲット!
DIYでロアアーム交換する際の注意点
ここでは、ロアアームを交換する際の注意点を解説します。
周辺パーツ交換の確認
ロアアームを交換する場合は、タイロッドエンドやスタビライザーリンクなどの周辺パーツ交換の必要性もチェックしましょう。
この車では、スタビライザーリンクは脱着できましたが、固着して外れない、ボルトが折れるというケースが多いです。どこまでパーツを購入するかも重要になります。固着している場合、ハイルーセンなどの浸透潤滑剤を使うと外れやすくなります。
事前に購入していないと、当日直らないなんて可能性もあります。
場合によっては、アライメント調整をしましょう
足回りを整備・修理したときは、アライメント調整やトーイン調整をしましょう。今回の軽自動車は、フロントトーインのみの調整でしたので、簡易テスターで測定確認しました。
足回りは、走行に係わる重要保安部品です。DIYで不安だなと思う方は、ディーラーや整備業者などに依頼をするようにしましょう。