ブレーキのエア抜きと聞いて、「知っているよ」・「重要だよね」・「やったことあるよ」という方も多いと思います。一方で「エア抜きって何?」・「なんでエア抜きするの?」と思う人もいるかと思います。ここでは、ブレーキエア抜きの必要性、方法や必要な工具などについて解説します。
ブレーキのエア抜きって?工具とか必要!?
ブレーキのエア抜きって、何をすることを言っているのでしょうか?ここでは、エア抜きの重要性や工具などについて解説します。
ブレーキのエア抜きの必要性
ブレーキは、ブレーキフルードという液体が使用されています。この液体は、湿気に弱く吸湿性が高いフルードです。
基本的に二年に一回は、フルード交換する事が推奨されています。
またブレーキを多用することで、フルード内に気泡ができてしまい、ブレーキが効かなくなるべーパーロック現象が起きることもあります。
空気の混入は、ブレーキフルードのリザーバータンク下限を下回った場合や、フルード漏れなどでも起きます。
ブレーキにエアが混入することで、適切な油圧が、ブレーキキャリパーに伝わらずブレーキが効かなくなる、止まれないという事に直結します。
ブレーキのエア抜きをしないとどうなる?
ブレーキフルードを交換したけれども、4輪のエア抜きを怠った為に、ブレーキの効きが悪く事故を起こしてしまったり、ブレーキフルードを交換しないで走行していたら、キャリパー内に気泡が溜まり、ブレーキが効かなくなってしまったりという事が発生します。
ブレーキのエア抜きを怠ってしまうことで、「最悪車が止まらない」という恐ろしい結果に繋がってしまうという事です。
ブレーキのエア抜き工具には、プロ用とお手軽なDIY用がある
ブレーキのエア抜き工具には、プロが使用するものとDIYでも可能な工具の2種類があります。
ここでは、工具の違いなどをご紹介します。
ブレーキエア抜きのプロ用工具とは?
プロ用のツールは、基本的に一人でもできるような設計になっています。その代わりエアコンプレッサーが必要になります。
一人で行えるように、ブレーキフルードのリザーバータンクにも自動で補充できる補充用タンクも付属しているものがほとんどです。
整備工場などでは、エア抜き作業を一人で行えるような工具が完備されている場合が多いでしょう。
プロ用エア抜き工具での作業手順
- 四輪をジャッキにかけて、四輪のタイヤを外す。亀の子状態にする
- リザーバータンクに付属の自動リザーバーをセットする
- FFとFRでエア抜きの順番が違うのですが、基本的に遠い方からワンマンブリーダーを使用しエア抜きをする。
- エア抜きが終了したら、リザーバータンクの量を調整し終了
ここで重要なのは、一輪ずつは行わないという点です。時間短縮も含め一気に作業していきます。
プロ用のワンマンブリーダーを使用した場合、エア抜き作業は、4輪で10分もかかりません。
ブレーキエア抜きのDIY用工具とは?
一般的にDIYでエア抜きをする場合は、上記のようなツールを利用します。
ブレーキブリーダーボトル、8-10mmメガネレンチがあれば可能です。ただしプロ用とは違い、2人で作業することが大事です。
大抵の車種は8mmもしくは10mmのブリーダープラグが利用されています。
一人は、ブレーキを踏む役目で、もう一人が指示とキャリパー側のフルードを見ながら、リザーバータンクへ補充します。
DIY用エア抜き工具での作業手順
- 一輪ずつジャッキアップ作業を推奨
- 最低でも二人一組で行う
- 一人は、キャリパー側にいて、踏み込み回数、踏み込みを指示、踏み込み続けたところでバルブを開放しエア抜きを進める
- もう一人は、指示に従いブレーキペダルの操作をします
- たまに、キャリパー側の人がリザーブタンクにブレーキフルードを補充
- 4輪作業して終了
正確を期するためと、人が車に乗り込むために、できるだけ1輪づつ作業するのが望ましいでしょう。4輪にウマをかければ4輪でも大丈夫です。
短時間で行うというよりは、正確に行ういことを考えて作業しましょう。特にリザーバータンクの液不足は、エア抜きなのにエア混入という結果になります。
実際にプロ用orDIY用のどちらのブレーキエア抜き工具を選ぶべき?
エア抜きをする観点だけで考えると、プロ用ツールが簡単であるといえます。ただし、エアコンプレッサーが必要となります。
こういった観点から、ブレーキのエア抜き作業だけであれば、プロ用工具を使用しない方法もアリと考えます。
[PR]車検の予約は楽天Car車検!楽天ポイントゲット!
HV車は、普通のブレーキエア抜きとやり方が違う
一般的な燃料エンジン車と違い、HV車などではブレーキフルードの交換手順が違います。
ここでは、HV車の場合での一般的な交換方法などを簡単に解説します。
HV車でのブレーキエア抜き注意点
ブレーキのエア抜き作業においては、コンピューター診断や操作なしで行えるようです。
ただし、一般的なガソリン車とは違い「ブレーキフルード交換モード移行」という作業が必要になります。この操作は、メーカーなどによっても違うのですが、イグニッションオンで、サイドブレーキを上げてNレンジ・Pレンジでブレーキ踏み込み何回など、複数の手順が必要です。
またブレーキエア抜き作業中は、ブレーキディスクを回転させたりしてはなりません。0㎞/hで作業するのが重要です。
HV車のブレーキエア抜きは、プロに任せた方が安心
上記で説明した以外でもコンピューターにログ(ダイアグ)が残ってしまい、解除しなければならない場合があったり、最後にリザーブタンクに適量を補充する際にも、作業手順があったりします。
HV車の場合は、ブレーキフルード交換やエア抜きを何度も行ったことのある人以外は、プロに任せた方が安心ではないでしょうか。