自動車整備士は、依頼された車の整備や修理を行うプロだといえます。なぜなら大事な車のエンジンや足回り関連を、分解交換する資格を有しているからです。では、無資格の自動車整備士だと、どのような作業ができるのでしょうか。本記事で、アレコレを解説します。
「無資格」の自動車整備士でもできる作業を解説 ~整備士資格概要~
まずは、自動車整備士にとって大切な資格である整備士資格の概要などについて解説します。
整備士資格とはどのような資格?
整備士資格とは、いわゆる車のドクターといえる資格です。整備士=メカニックとも呼ばれていますね。
整備士は、自動車の点検や修理、メンテナンスや調整、分解組立など車のあらゆる整備・修理業務を行う事になります。整備士資格は、重要な役割を担うだけでなく、専門的な知識も必要な国家資格です。
分解整備は進化して特定整備へ名称変更
以前は、整備士資格を有して行う整備を「分解整備」と呼んでいました。これらの整備は、2級自動車整備有資格者以上が行える整備です。
- 原動機:エンジン分解・内部部品交換など
- 動力伝達機:クラッチ、ミッション、プロペラシャフト、デフの脱着交換など
- 走行装置:ドライブシャフトやアクスルシャフト、ロアアームの脱着交換など
- 操縦装置:ステアリングのギヤボックスや、タイロッドの脱着交換など
- 制動装置:ブレーキパイプやブレーキホースの脱着交換など
- 緩衝装置:リーフスプリングの脱着交換など
- 連結装置:牽引自動車の連結部分の脱着交換など
上記の内容などに加え、昨今の自動車には、安全運転や事故防止などの観点から、自動運転や衝突被害軽減ブレーキなどの電子制御装置がかなり拡充されています。
そのため、こういった電子制御装置の分解整備や解析なども必要になってきました。しかしながら当時の分解整備には、その項目自体がなく言わば「誰でも作業できる」という状況になっていました。
そこで、2020年4月1日から、これらの電子制御装置を作業する場合に対して、従来の分解整備に加えて電子制御装置に関する作業が追加されました。それで名称も「特定整備」に改められたといえます。
特定整備は無資格で業としては作業できない
特定整備という整備内容は、無資格で「有償・無償問わず業として」作業できないことになっています。
「無資格」の自動車整備士でもできる作業を解説 ~無資格でOK?~
ここでは、ゼロから整備士になりたい方などや整備士に興味がある方に向けて、無資格の場合には、どのような仕事内容が可能なのかなどについて解説します。
無資格でも整備工場に勤めて作業できる
無資格だからといって、全く整備工場に勤められないという事ではありません。認証・指定工場であれば、2級整備士が在籍し、整備主任者という立場の者もいます。整備主任者の監修の元であれば、無資格でも特定整備は可能となっています。
無資格の人は、これから資格を取ることになると考えます。そういった意味も踏まえて、無資格からスタートする方は、認証・指定工場に務めることがベターだと考えます。
自己責任だが所有車を特定整備すること自体は問題ない
こちらは、整備でお金を稼ぐというお話ではありません。それは、所有車の特定整備は自己責任になりますが作業自体問題になることはありません。業として、特定整備できないということですので趣味の範囲で自分の車を触る分には問題ありません。(プロに任せることをおすすめしますが…)
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「無資格」の自動車整備士でもできる作業を解説 ~整備士になれる?~
ここでは、「無資格から自動車整備士になりませんか!」というお話をしていきます。
「無資格」でOKな求人は結構ある!
現在の自動車整備業界のお話を少し致します。自動車整備士にも高齢化の波が押し寄せています。さらに、新たに有資格整備士になりたいという若者も少なくなっているといえます。
そんなことから、認証工場や指定工場では、無資格でも「整備をやりたい」と思っている方を率先して受け入れて、一から勉強してもらう環境を整えています。無資格でも一から始められるという求人は、かなり多くなってきています。
「無資格」からまずは3級整備士を目指そう!
無資格の人が、認証工場や指定工場に就職した場合は、まずは3級整備士を目指すのが一番大切です。
一年間の実務を経て、3級整備士資格の受験資格が得られます。その後、学科試験と実技試験を受けて3級整備士を取得するか、整備振興会などの講習を数か月受けることで、学科試験のみで3級整備士になるケースが多いでしょう。
無資格で整備士を目指す場合は、3級整備士取得を目標にするとよいでしょう。