現代では、エアコンが必要不可欠なものになっています。エアコンは、車内でも重要な装備です。では、エアコン新冷媒ガスである「R1234yf」というのはご存じでしょうか?本記事では、新冷媒ガスである「R1234yf」の特徴や価格などについて解説してみます。
エアコン新冷媒ガス「R1234yf」とは? ~採用理由は?~
なぜエアコン新冷媒ガスとして「R1234yf」が採用され始めているのでしょうか?
R134aの代替えエアコンガスとして採用され始めている
現在主流となっているエアコンガスは、R134aであると思います。このガスは、フロンを含まないためオゾン層は破壊しないのですが、GWP(地球温暖化係数)の値が高い温室効果ガスとなっています。
現代では、オゾン層破壊だけでなく環境に配慮したエアコンガス使用を急務としています。そのため早急に開発されたのが「R1234yf」というガスでした。
現在使用されているR134aのGWPは、1300から1430ほどです。これに対して、「R1234yf」は1となっています。環境負荷がかなり低いことがうかがえます。
また日本でのフロン排出抑制法では、2023年までにGWPが150以上の新規乗用車を規制する事としています。ということは、これから「R1234yf」のガスに切り替わらないといけません。
昔あったR12ガスが製造中止になった理由から
R12ガスは、1990年代前半までカーエアコンに使用されていたガスです。このガスは、フロンを主体としていたために、オゾン層を破壊する事が大問題になりました。
そのためモントリオール議定書第4回締約国コペンハーゲン会議にて、1995年までに製造中止することが決定しました。これに代わり、R134aというノンフロンガスが採用されました。
今度は、R134aに変わり温暖化を抑制する「R1234yf」が、採用される事になったということです。
エアコン新冷媒ガス「R1234yf」とは?「特徴や価格は?」
冷媒ガスである「R1234yf」には、どのような特徴がありどのような価格なのでしょうか?
「R1234yf」の特徴は?
「R1234yf」は、R134aと違いGWPが1前後となっています。そのためR134aのようにガスの回収義務はなく、大気解放もOKとなっています。
またR134aと比較しても、冷媒能力が極端に低いわけではなく、5%前後低い程度です。ただ「R1234yf」は可燃性であるというのが少し気になるところです。
「R1234yf」の価格は?
R134aのチャージ缶は、千円程度で購入できます。一般的な乗用車のガスチャージだと2缶から3缶前後だと思います。ということは、真空引きを頼んでも10,000円位あればできる作業です。
一方「R1234yf」の場合は、どうでしょうか?調べてみるとチャージ缶の値段は、10,000円前後します。同じように真空引きすることになると、40,000円ほど掛かることになります。かなり高額だと感じてしまいますね。
エアコンガスの補充を行うにしても、修理後のエアコンガス真空引き充填するにしても、かなり高額になると予想できます。
[PR]車検の予約は楽天Car車検!楽天ポイントゲット!
エアコン新冷媒ガス「R1234yf」とは?「採用車種は?」
R1234yfを採用している車種には、どのようなものがあるのでしょうか?筆者調べの範囲で回答します。
トヨタ・ダイハツ
- 平成30年6月からのクラウン
- カローラクロス
- カローラスポーツ
- カローラツーリング
- 平成31年4月からのRAV4(PHV)
- 令和1年10月からのC-HR
- 令和2年6月からのハリアー
- 令和3年6月からのランドクルーザー(プラド)
- ヤリス(クロス)
- 令和3年7月からのアクアと86
- 令和2年7月からのプリウス(PHV)
ダイハツ車
- 令和1年8月からのタント
その他国産メーカー
その他の国産メーカーでもR1234ryの採用が始まっています。
ホンダ車
- 令和1年8月からのN-WGN
- 令和3年4月からのヴェゼル
- ホンダe
- 令和3年9月からのシビック
日産車
- 令和2年12月からのノート(オーラ)
マツダ車
- 平成30年9月からのMAZDA2
- 平成30年12月からのMAZDA3
- 令和2年1月からのCX-30
スバル、スズキ、三菱も販売モデルに順次「R1234yf」を採用してきています。先述しましたが、日本では2023年までにGWP150以上のガスを使用停止にすることで進んでいます。このため続々とR134aから「R1234yf」に移行していくと考えています。