駐車していて車を出そうとしたら、オイルが舗装にボタボタと流れるように漏れているという相談が入りました。入庫して点検したときには、ミッション周りが酷い状態でした。本記事では、ミッション周辺のオイル漏れを診断し、各所のシール交換で修理したお話をします。
【ハイゼット】ミッション周辺からオイル漏れ!? ~原因究明~
まずは、どこからオイル&オートマフルードが漏れているのか原因究明しなければなりません。
オートマフルードが漏れているがオイルパンが原因ではない
オイルパンにもオートマフルードがベッタリ付着しているのですが、どうやらオイルパンシールからの漏れでは無さそうです。
ミッションとトランスファ結合部のシールから大量漏れと診断
とりあえず一旦綺麗にして、一日走行してもらうことにしました。そして、再度入庫してもらいました。すると、上記画像の小さな穴から大量のオートマフルードが漏れていることがわかりました。
この穴からフルードが漏れるということは、ミッションとトランスファを結合している部分から漏れているという事になります。
さらにギアオイル臭い感じがしたので、トランスファとプロペラシャフトを接合するシールからも漏れがあることがわかりました。
ミッションやトランスファのシール部は、パーツ代より作業時間の方がかなり気になります。そのため、ダイハツディーラーにも状況をお伝えして、「ここで間違いないだろう」というお墨付きを頂いて診断終了としました。
【ハイゼット】ミッション周辺からオイル漏れ!? ~トランスファ外し~
原因となるシール交換をするためには、ミッションとトランスファを分離する必要があります。
前後のプロペラシャフトを外す
トランスファが付いているという事は、ハイゼットは4WDモデルです。フロントとリアのプロペラシャフトを外す必要があります。14㎜のボルトを4本外して、プロペラシャフトを抜き取ります。
こちらは、フロント側のプロペラシャフトになります。14㎜で止まっているだけなので、そんなに時間はかからないでしょう。付いていた時と同じ様に組み付けるため、一か所印を付けておくのが良いでしょう。
トランスファとオートマフルードを抜いてしまう
トランスファとオートマフルードを抜いてしまいます。トランスファを分離する際にフルードが漏れ出すからです。因みにトランスファオイルは、プロペラシャフトを外す前に抜いておくと良いでしょう。シャフトを抜くとギアオイルが漏れだします。
トランスファ関連の配線を取り除きトランスファを外す
トランスファ上部には、制御するためのセンサーなどが付いています。配線などを外してしまうことが重要です。降ろすときに配線が付いていると千切れたり、配線が外せなかったりするからです。
その後多数あるボルトの中で、14㎜ボルトのみを外していきます。そしてタイヤレバーやプラスチックハンマーなどを使い、トランスファを分離します。
トランスファが、無事取り外せました。
本来オイルやフルードが付着しない場所に、ベッタリとフルードが付いているのが判明しました。
トランスファとミッションを接合する「釜」も外す必要がある
ハイゼットのミッションシール交換する場合は、トランスファとミッションの間にある「釜」も外さないと交換ができません。こちらも外してしまいます。
釜を外すとミッションシャフトがしっかり見えてきます。
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【ハイゼット】ミッション周辺からオイル漏れ!? ~シール交換&組付け~
ここでは、各種のシール交換作業や組み戻し作業などについて解説します。
部品番号とシールを照らし合わせながらシールを打ち換える
部品番号とシール形状を見比べながらシールを打ち換えていきます。間違うと、シールが再利用出来ないので注視したい部分です。
筆者は、いつも思ってしまいます。シール類の交換では、パーツ代などは500円や1000円なのですが、交換作業時間がパーツ代のわりにかなり掛かる気がしてしまいます。
液体パッキンの残りを綺麗にふき取り新液体パッキンを塗布して組付け
外したトランスファや釜、ミッション側には純正液体パッキンが残っています。これを綺麗になるまで取り除きます。
新たな液体パッキンを塗布して、順番に組付けていきます。ここは慎重に行わないと、漏れの原因にもなります。
外した時と逆の手順で組付けなおしてフルード類を充填して試験稼働
基本的には、外した時と逆の手順で外した部品を組み付けていきます。外したボルト類が解らなくならないように外すときにパートごとに分けておくのがポイントです。
組み付けが終わり、オートマフルードとトランスファオイルを充填したら、試験稼働してみます。漏れなどもなく異音や不具合もなかったので、作業終了となりました。作業時間は、5時間ほどでした。