今回依頼が来たモデルは、車検には合格したけれど、後々トラブルになる可能性がある修理でした。修理するモデルは、レガシィB4 S401 STiバージョンで、限定400台というレアなモデルです。今回は、このモデルのマフラー関連の修理を行ってみます。
限定400台レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーが腐食【原因は?】
マフラーが腐食してしまう理由を解説してみます。
経年劣化による腐食
このレガシーB4 S401は、平成14年発売のモデルです。ということは20年以上経過しています。やはり経年劣化でマフラー腐食というのは、必然と感じます。
雪害・塩害による腐食
筆者在住の地域では、雪が多く降ります。そのため塩カルなども散布していますので、下回りは温暖な地域よりも錆びやすくなります。住環境によって、マフラーの腐食速度は大きく違うでしょう。
限定400台レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーが腐食【DIY修理】
それでは、スバルレガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーをDIY修理してみます。
マフラーを外して、腐食を取り除き、耐熱シルバー塗装
今回の修理内容
- マフラーの接合部が、腐食で朽ちかけていた。
- マフラーの太鼓が腐食で最外部のステンレス部が剥がれてしまっている。
- 折角のキャタライザーが、腐食で使用できない状況になっている。
まずは、マフラーを外さないと作業が進みません。マフラーパイプを接合しているフランジ部のボルト・ナットが、物の見事にサビで腐食しています。こう言った時に役立つのは、上記のようなツールです。
まずは、このボルトを外すか折ってしまわないとマフラーが外せません。一本は取れて、一本は折れました。
折れてしまったボルトは、サンダーで切り落とし、ポンチで叩いてあげることで元の穴に戻ってくれます。ボルト・ナットは、新しいものを取り付けます。
またフランジ用のガスケットも完全に欠落していたため、液体ガスケットを使用して応急処置を施しました。
とにかくじっくり時間をかけて塗装することで、しっかりと塗料がマフラー腐食部にもに入り込んでくれます。また艶のある綺麗な仕上がりにもなります。
マフラーの外側が腐食で酷いので補強
腐食の酷かった上部側は、元々遮熱版なども付いている感じでした。そのためサーキット用の遮熱シートを貼ることにしました。
バンセンで耐熱シートを脱落防止
遮熱シートにも粘着シールがついていますが、たぶん熱が加わると剥がれる危険性があると思います。そこで、とりあえずバンセンで縛ってあげることにしました。
本当は、熱が加わっても剥がれないようなボンドみたいなのがあればよかったのですが、あいにく手元になかったので、ユーザーの同意を頂きバンセン施工することにしました。
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限定400台レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーが腐食【注意点】
ここでは、限定400台レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラー腐食などの注意点を解説します。
経年年数と限定バージョンのためマフラーは生産中止に
レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーは、年数経過のためパーツ自体が生産終了となっています。そのため社外マフラーを購入するか、とにかく純正マフラーを直して利用するかしかない状況でした。
レガシィB4 S401 STiバージョンのマフラーはキャタライザー付き
同モデルの特長である「低排圧で稼働するスポーツキャタライザー」を検査してみました。
ここで問題発生です。このキャタライザーは、ワイヤー式で開閉するのですが、ワイヤー取り付け部自体が腐食で欠落してしまっています。さらに開閉部分の回転軸でシャフトが折れています。
こうなると、まずはキャタライザーが開いているのか締まっているのかも問題になります。
スコープを活用し、内部を覗いてみました。すると現時点で全開に開いた状態でした。こうなるとキャタライザーは、ずっと開いている状態という事になります。
こちらも所有者の同意を得て、キャタライザーワイヤーは車の内部に収納し、排気が万が一漏れることの無いように、溶接で固めてしまいました。
ボルト類は折れやすい状態になっている
バンセンを手で縛っていくのは、かなり大変な作業です。しかもあまり太いバンセンを使用することもできません。こういったときに便利なのが、専用工具です。簡単に縛っていくことが可能です。