「エンジンがかからない」という連絡が入りました。単純な理由でエンジンがかからない(バッテリー上がりなど)であれば、比較的簡単な修理なのですが、今回は少し様子が違いました。本記事では、シフトポジションセンサー不良によるエンジンがかからない話をしてみます。
エンジンがかからない理由を徹底調査
エンジンがかからない時は、ユーザーからの不具合状況をどれだけ詳しく聞けるかというのが肝心です。
ユーザーから始動不良状況を聞く!
時々エンジンがかからず、そういう時はシフトをガチャガチャとシフトを数回P~1迄上下させるとエンジンがかかると云う事でした。
とにかくエンジンが始動できたので、みてもらいたいと走行してきたようです。一度エンジンがかかると、しばらく始動できるようです。
ユーザー聴取をもとに徹底調査
この情報をもとに、まずは基本的なエンジン始動状態やバッテリー、ダイナモなどの点検を行い、問題ない事を確認しました。問題は違うところにありそうです。
最終診断はシフトポジションセンサー・・・!?
ユーザーには、普段のエンジン始動方法でエンジン始動をしてもらうことにしました。
「アレ?」なんでこのユーザーさんは、エンジン始動前にシフトにやたら触れているのだろうと筆者は思いました。多分ずっと癖になっているのだろうと感じました。
そこで推理したのが、シフトポジションセンサーの不具合(接点異常)でした。ユーザーさんに故障の可能性を説明し、シフトポジションセンサー交換をすることにしました。
シフトポジションセンサーをDIY交換
それでは、DIYでシフトポジションセンサーを交換していきます。
ミッションに付いているシフトポジションセンサーに印を付ける
シフトポジションセンサーが、どのような動きをするか心配でしたので、まずは主要箇所にマーキングを施します。
ミッションに付いているシフトポジションセンサーコネクターを外す
シフトポジションセンサーのコネクターを外します。この車は、ミッションの真上についているので、すごく大変な作業になりました。
シフトポジションセンサーを外す
12㎜、14㎜で止まっているシフトポジションセンサーを取り外します。スペースはかなりあるので、この作業は楽と思います。
新品のシフトポジションセンサーを組み付ける
新品のシフトポジションセンサーと取り外したものとを比較しておきます。形が合わないと、取り付けできないからです。
新品パーツを元通り取り付けし、コネクターも取り付け出来たら交換修理は完了です。
エンジンを掛け試験稼働する
エンジン始動が問題ないかを試験稼働します。試験稼働ついでに、Pから1までゆっくりシフトを動かし、ポジション稼働の確認もします。
無事にエンジン始動しました。一日置いておき、翌日もう一度検査してエンジン始動できたので今回の修理は完了としました。ユーザーには、不具合が出ないか数日様子を見てもらうことにしました。
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シフトポジションセンサー故障の注意点
シフトポジションセンサー故障と診断する為には、色々な情報を基に推理する必要がありそうです。
ユーザーのクセから故障診断ができることも
ユーザーの癖から故障原因推理に近づく事があります。しっかり事情を聞き取りましょう。何かヒントが出ることが多いです。
今回は、ユーザーがエンジン始動前にシフトをカチャカチャと何回も揺らしている事が推理の起点でした。
シフトを数回チェンジしてエンジンが掛かる場合は疑わしい
シフトポジションセンサー異常でエンジンが始動しない場合の多くは、Pポジションにシフトが入っているのに、センサーはそういう認識をしていないケースだと感じます。
このセンサーが異常故障になると、Pではエンジンがかからず、Nではエンジンがかかるという事象になったりします。
また数回シフトを数回P~1まで上下させることで、正規の信号が送られエンジン始動するケースもあります。