ハイブリッド車は、近年主役になりつつある車です。ハイブリッド車は、ガソリン車と比較して元を取りづらいのでしょうか?本記事では、ハイブリッドとガソリン車を多方面から比較して、ハイブリッド車で元を取る為の方法などを解説します。
ハイブリッド車は、元が取りづらい?~相違点~
ハイブリッド車は、ガソリン車と比べて元が取りづらいと言われていますが、どうしてなのでしょうか?ハイブリッド車特有のメリット・デメリットを解説します。
ハイブリッド車とガソリン車の車両価格の違い
トヨタは、ハイブリッドモデルを多くラインナップしています。ではハイブリッド車とガソリン車では、どの位車両価格が違うのでしょうか?一例をあげて比較してみましょう。
ヤリスの車両価格です。
グレード | 駆動方式 | 燃費 | 車両価格 |
X 1.5 | FF | 21.6km/l | 1,598,000円 |
ハイブリッドX | FF | 36km/l | 1,998,000円 |
アルファードの車両価格です。
グレード | 駆動方式 | 燃費 | 車両価格 |
2.5X | フルタイム4WD | 11km/l | 3,851,000円 |
ハイブリッドX | フルタイム4WD | 14.8km/l | 4,613,000円 |
ヤリスで400,000円、アルファードで762,000円の車両価格差があります。この価格差はかなり大きいと考えます。
ハイブリッド車とガソリン車の新車取得時の税制の違い
ヤリスの場合を例にとります。ヤリスは、自動車取得税の代わりに導入された環境性能割が非課税になっています。また重量税も22,500円とお得です。
ただし、車両価格を大きく縮めるほどの税制優遇ではないと考えます。
ハイブリッド車とガソリン車の故障修理などは?
ハイブリッド車とガソリン車では、どの位維持費が変わるものなのでしょうか?
ハイブリッド車もガソリン車も5年から7年くらいまでは、大きなトラブルはないと考えます。ハイブリッド車では、補機バッテリーの値段が高いわりに、持ちが悪いという評判が多いと感じました(筆者調べ)。
ただし、補機バッテリーの「持ち」自体の観点で見るとハイブリッド車のほうが長持ちする傾向にあります。一方ガソリン車では、エンジンに頼っている補機類の消耗が早いと感じます。例えば、ファンベルト類などです。
筆者が考える注意点としては、ガソリン車の修理費は、10年くらいの間であれば消耗品などをしっかり交換する事で車を良い状態に維持できると考えます。
一方ハイブリッド車の場合は、ハイブリッドシステムやリチウムイオンバッテリー(ハイブリッドバッテリー)など、ハイブリッド特有の消耗品交換が必要となる可能性があります。
ハイブリッド車で元を取るためには、~具体例~
車両価格などの高いハイブリッドが、元を取るためにはどのような条件があると良いのでしょうか。
新車購入で年間1万キロ走行の具体例
走行距離が、年間1万キロでガソリン代が170円と仮定した試算をしてみます。
ヤリスモデルを参考に
グレード | HYBRID X 1.5L 2WD | X 1.5L 2WD |
自動車税 | ¥34,500 | ¥34,500 |
燃料代 | ¥47,486 | ¥78,703 |
駐車場代 | ¥120,000 | ¥120,000 |
その他維持費 | ¥20,000 | ¥20,000 |
任意保険料 | ¥100,000 | ¥100,000 |
合計金額 | ¥321,722 | ¥353,203 |
ハイブリッドモデルの維持費が、31,217円安くなります。これは、あくまで試算の話です。ただこの差額をベースにすると、ガソリン車から元を取るためには、13年ほど時間を要することになります。
また今回は、ヤリスと言う小型モデルで比較していますが、アルファードのような大型車の場合では、燃費差がそこまでないので元を取るためには、もっと時間がかかりそうですね。
新車購入で年間3万キロ走行の具体例
同じくヤリスモデルを参考に
グレード | HYBRID X 1.5L 2WD | X 1.5L 2WD |
自動車税 | ¥34,500 | ¥34,500 |
燃料代 | ¥142,458 | ¥236,111 |
駐車場代 | ¥120,000 | ¥120,000 |
その他維持費 | ¥20,000 | ¥20,000 |
任意保険料 | ¥100,000 | ¥100,000 |
合計金額 | ¥416,958 | ¥510,611 |
年間にすると、93,653円ハイブリッドの維持費が安くなります。やはり燃費性能の高さがうかがえる部分です。5年でガソリン車と比較して元が取れると考えます。
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ハイブリッド車で元を取るためには?~元を取る条件~
筆者なりにいろいろ考察して、ハイブリッド車で元を取るためには、どのような方が購入するべきか考察していきます。
年間走行距離が多い方は、元が取りやすい
年間走行距離が少ない人は、地球環境にエコかもしれませんが、お財布的にはエコではないと感じます。年間走行距離が1万キロの場合は、いろいろなことを加味しても、10年くらいはガソリン車と比較して元が取れないと言っていいでしょう。それは、車両価格が高いからです。
それだけでなく、走行距離が少ない(サンデードライバーなど)方は、ハイブリッド車対応の補機バッテリーなど消耗品交換頻度も高くなると思います。
一方、年間3万キロ以上走る方は、ガソリン車と比較して、早期に元が取れる計算になります。やはり燃費の良さが大きく響いているからでしょう。
筆者の結論としては、走行距離の多い営業使用の方や頻繁にお出かけして長距離使用する方などは、ハイブリッド車で元が取りやすいと考えます。
なるべく新車取得時の車両価格をガソリン車に近づける
車には、いろいろなグレードが存在します。そして欲しいグレードは、十人十色です。
例えば「ヤリス」ガソリン最高グレードZ CVT FFモデルが、1,971,000円です。グレードは低いですが、ハイブリッドX FFの車両価格は、1,998,000円となっています。
同じグレード同士では、車両価格差が大きくなりますが、違うグレードでの比較を行えば、ハイブリッド車で元を取りやすくなります。
ユーザー嗜好によって、どのグレードが「良い」という考えはあると思います。そのなかで元を取るという事を念頭に置いた場合は、「欲しいグレード」と「元を取る」を多方面から思案するのも良いと思います。