車には、標準車と寒冷地仕様車があります。雪の多い北の国や海沿いの寒い地域では、寒冷地仕様車が喜ばれたりします。では、この寒冷地仕様車はどのような装備が付いているのでしょうか?本記事では、今昔を交えて違いについて解説していきます。
車の寒冷地仕様と標準車とは?【違い!】
車の寒冷地仕様車と標準車では、どのような違いがあるのでしょうか?ここでは、現在新車販売されているモデルなどの寒冷地仕様車を解説します。
寒冷地仕様車は、低温・雪上に適したアップデートがされている
現在の新車は、寒冷地仕様を設定すると、サイドミラーヒーターやリアヒーターダクトが装備されたり、ほかのメーカーではフロントガラスに熱線が入っていたりします。
メーカーによっては、北海道地区では全て寒冷地仕様車を標準としている場合もあります。
軽油の場合は、燃料にも違いがある
これは、寒冷地仕様車とは違うのですが、かなりの確率で起きている不具合のため案内しておきます。
軽油は、寒い地域では凍りやすい性質があります。それは、軽油の成分であるパラフィンが分離しやすく凍りやすくなるためです。
北海道のような極寒地での軽油は、特3号が使用され凍りづらくなっています。もし暖かい地域から寒い地域に行くときは、現地の軽油を入れましょう。
(注:軽油には○号や特○号といった流動点の温度(凍結しやすさ)で示した分類があります。基本的に冬季の場合本土(温暖地域)では2号、寒冷地では寒さに強い3号もしくは特3号が販売されています。気になる方はスタンドの店員さんに聞いてみましょう。)
15年以上前と今の車の寒冷地仕様車の違いとは?【進化】
寒冷地仕様車という言葉は、同じなのですが今と昔では寒冷地仕様の装備内容に違いがあります。
15年前の寒冷地仕様車は?
一昔前と言うよりも15年から20年前の寒冷地仕様車では、エンジン始動に関わる部分で大きくアップデートされていました。
- バッテリーが大きい又は、2個搭載
- ダイナモ容量が大きい
- セルモーター容量が大きい
- ワイパーモーターが大きい
- などです
現代の寒冷地仕様車は?
現代の新車寒冷地仕様車を見てみると、昔のようなエンジン始動に係わるパーツだけでなく、より快適に運転できる為のアップデートとなっていることが多いようです。
- フロンドガラスに熱線が入る(ワイパーの凍結防止)
- リアフォグランプがLED(視認性向上)
- サイドミラーに熱線が入る(付着した雪を溶かす)
- シートヒーターが付いている
- リアシートヒーターやリアヒーターダクト
- などです。
エンジン始動などは、技術革新などで大きくアップデートしなくても大丈夫と言うメーカーが多いといえます。※ラジエター液やウォッシャー液は寒冷地仕様に変更されています。
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寒冷地仕様車でない標準車を寒冷地で走らせるには?【違いと注意点】
標準車を寒冷地で走行する場合は、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
古いバッテリーだとエンジン始動が難しくなる
15年以上前の車であれば、そもそもバッテリーが小さい可能性(標準車)があります。寒冷地仕様サイズのバッテリーに交換しましょう。
また寒冷地仕様と標準車でサイズが同じモデルの場合は、新しいバッテリーに交換することをおススメします。
(注:バッテリーには温度が低くなるほど、取り出せる電気量が少なくなる性質があります。)
ウォッシャー液とラジエター液を寒冷地にしておく
新車の場合は、自動車メーカーもディーラーも寒冷地に販売することを前提にしていますので、心配のない部分ですが、中古車の場合は違います。
液体、いわゆるラジエター液やウォッシャー液は、一度寒冷地の濃度に交換しましょう。筆者も一度だけやらかしてしまったのですが、思い込みでウォッシャー液を濃い濃度に交換したと思い、真冬に入り凍結して全く出なくなってしまいました。
1週間くらい暖かくなるのを待って、入れ替えたことがあります。寒い中冷たい水作業するのはかなり辛いです。気を付けましょう。
スタッドレスタイヤも装着
こちらは、冬道を走る場合の必須アイテムですので、触れるか触れないか悩んだのですが、記載しておきます。
それは、北海道でも夏タイヤで初冬の峠を登ろうとする人がいるからです。雪が積もっている峠を無理に越えようとして、越えられないか事故になっているケースがまだ発生しています。しっかりスタッドレスタイヤを装着しましょう。
車を購入する際には、自らの所有車を使用する地域に合わせて標準車でいいのか、寒冷地仕様にしたほうが良いのかを考えることが大事です。