イグニッションコイルは、プラグに強力な火花を飛ばすのに必要不可欠な電子パーツです。このパーツが調子悪くなると、加速不調やアイドリング不調が発生します。本記事では、イグニッションコイルの交換方法や注意点などを解説します。
「イグニッションコイル」の交換方法と注意点 ~交換サイクル~
イグニッションコイルは、どの位で故障するものなのでしょうか。ここでは、故障頻度や交換するのに必要な工具などを説明します。
イグニッションコイルは、案外故障しやすいパーツ
イグニッションコイルは、電子パーツです。さらにエンジンの真上に装備されていますので、高温にさらされています。今回交換した車では、一本だけすでに交換されている形跡がありました。
一般的にイグニッションコイルは、7~8万キロ程度は持つとされているようです。ただ筆者の経験では、新車で納車されて数年でダメになったという話も聞きます。電子パーツなので、案外故障の多い部品なのかもしれません。
イグニッションコイル交換に必要な工具
イグニッションコイル交換に必要な工具は、イグニッションコイルにアクセスするまでの過程によって変わってきます。
一般的に必要な工具として
- ラチェットとソケット(8㎜、10㎜、12㎜、14㎜)
- ラチェットと同じサイズのメガネ
- プラスドライバーやマイナスドライバー
- ボックスドライバー (10mm)
などが必要になることが多いでしょう。特に、折れやすいイグニッションコイルの10mmのボルトやエンジンカバーに使われている細いボルトには、いきなりラチェットを利用するのではなく、まずはボックスドライバーを使用するようにしましょう。これらのボルトは折れやすいだけでなく、折れたときの修正が非常に面倒です。
「イグニッションコイル」の交換方法と注意点 ~作業手順~
ここでは、実際にイグニッションコイルを交換していきます。
イグニッションコイルにアクセスできるまで補機類などを外す
イグニッションコイルを交換するためには、車種によっても大きく作業時間が変わってきます。イグニッションコイルが交換できるまで、どの程度のパーツを外せばよいのかという事が大きく左右するという事です。
軽自動車の場合、例えばターボ車では、インタークーラーがダイレクトイグニッションコイルの真上に装備されていたら、それを外さないとダイレクトイグニッションコイルにアクセスできません。
同じ車種でもノンターボの場合は、エアクリーナーなどを外せば、ダイレクトイグニッションコイル交換が可能な場合もあります。
イグニッションコイルを外す
ダイレクトイグニッションコイルが外せるようになったら、まずは、それぞれにカプラーオンされているカプラーを外します。
そして大体10㎜か8㎜で止まっているボルトを外せば、ダイレクトイグニッションコイルは外せます。
前述の通り、イグニッションコイルを留めているボルトを締めすぎると簡単に折れてしまいます。そのため、まずはボックスドライバーで締めてその後、8mm-10mmのめがねで増し締めをするといった手順で破損を防止しましょう。
新しいイグニッションコイルを取り付ける
新しいダイレクトイグニッションコイルを取り付けし、元通りに組付けし直せば、作業は終了します。今回は、NGKから車外純正品を購入しました。
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「イグニッションコイル」の交換方法と注意点 ~ポイント~
ダイレクトイグニッションコイルを交換する際には、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
イグニッションコイルの故障か判断する
まずは、ダイレクトイグニッションコイルに不具合があるかを検査します。今回交換する車両は、エンジンが暖まると不調になるという事でした。
暖機して、専用ツールで診断すると、真ん中だけ異常数値を示しました。この段階で、イグニッションコイルなのかそれともプラグなのかの判定は難しい状況です。
そのため、ダイレクトイグニッションコイルを入れ替えて調査します。すると入れ替えられた側に不調症状が現れてたので、ダイレクトイグニッションコイル不良と判断しました。
この方法は、高価なツールが無くてもできる方法です。イグニッションコイルを不良診断する際に試してみて下さい。
またダイレクトイグニッションコイルを入れ替えても不調症状が変わらない場合は、プラグの故障が有力になります。
イグニッションコイル交換後に検査する
イグニッションコイルを交換した後、専用ツールがある場合は、パーツを元に戻す前に故障修理が完了しているかをチェックすると良いでしょう。
今回の車では、アイドリングで900rpmです。3気筒すべて落ち着いた数字を表示しています。故障修理は問題ないと判断できました。
なるべく全てのイグニッションコイルを新品にする
ダイレクトイグニッションコイルは、純正で1本8000円~12000円ほどします。確かに高価なイメージがあります。
ただ1本故障するという事は、他のダイレクトイグニッションも故障する可能性があるという事です。バラバラに交換すると、工賃も高くつきます。できるならまとめて全ての気筒分を交換するのが良いでしょう。