ファンベルト交換するトラック紹介と不具合状況
ここでは、ファンベルト交換するトラックを紹介し不具合状況をチェックしていきます。
トラックを少し紹介
いすゞの搬送車です。最大積載量は2500㎏なので、3ナンバー乗用車位は車載出来ます。平成10年位のモデルなのですが、走行距離は10万キロ前後とトラックにしては少なめの走行距離です。走行距離は少なめですが、消耗部品交換は必要になってきます。
ファンベルトの不具合状況
エンジンをかけると、「キュルキュル」・「キリキリ」という二種類の異音が聞こえます。またアクセルを入れると「キリキリ」という音が大きくなってます。
ファンベルトを確認すると、かなり古くなっているのが解りました。また「キリキリ」という音は、プーリーから発生していました。
ファンベルト交換とプーリー交換が必要と判断しました。
走ってる途中でエンジンから異音がして近くのホムセンに止めたんだけど、エンジンルームになんかのベルトが落ちてた😨
— nagu (@nagusan_) July 10, 2021
車は動くけどどうしよ… pic.twitter.com/bU5D1x4Tk0
プチ情報
今回はトラックのファンベルト交換ですが、乗用車でも良く「キュルキュル」と音のしている車があります。
放置すると、上の投稿のように切れて、最悪走行できない可能性もあります。異音が「出た」・「出る前」の段階で早期整備すると良いでしょう。
トラックのファンベルト交換手順紹介
ここでは、実際にファンベルトの交換をしながら、交換の注意点などを解説します。
二種類のプーリーを外す
今回異音がしていると予想されたプーリー部分は、二か所ありました。二か所とも最初に外すパーツでもあったので、このパーツから取り外します。
一か所は、固定プーリーです。このプーリーを外さないと、その下にあるテンションプーリーとテンションガイドは外せません。
上の固定プーリーを緩めて外せる状態にしたら、下のテンションプーリーを外します。
この時重要な注意点があります。赤〇のボルトを緩めてから、緑〇を緩めないと、テンションは緩みません。そればかりか、間違うと真ん中のプーリーがネジ切れて使用できなくなります、注意しましょう。
この方式は、乗用車でも同じような仕組みになっているモデルが多いでしょう。プーリー外しで注意したい部分です。
ファンベルトを外す
テンショナープーリーと固定プーリーが外せたら、ファンベルトを外します。トラックの場合は、前にファンがついています。知恵の輪のようにファンをかわしながら外していきます。
新品パーツ類と古いパーツをチェック
今回交換する新品パーツは、上記の構成です。外した古いパーツとの違いなどがあるかをチェックします。プーリーは、故障防止対策品になっている感じで形状が少し違っていました。
ファンベルトは、テンション限界張りであった
新品テンションボルトも購入されていたので、チェックも含めて外します。
またテンショナーをチェックすると、目いっぱい張られた状態でしたので、ファンベルトの限界であったと予想できました。
ベルトも使用限界
ファンベルトをチェックすると、亀裂が入っていて、更にベルトも痩せている事が解りました。
新品パーツを組み付ける
外すのと逆の順番で、組み付けていきます。まずは、テンションプーリーから復旧です。あっ!?外した時と逆と言ったのですが、作業の邪魔になるので、ベルトは後から通してます。
最後にベルトをかけていきます。ここで重要なことは、しっかりとプーリー全部に間違いなくベルトが掛かっている必要があるという点です。
ベルトが外れていると、間違ってエンジンをかけた時にベルトが使い物にならなくなるだけでなく、プーリー破損にもなります。これは、乗用車も同じです。注意したいポイントです。
きちんとベルトが掛かっているのをチェックしたら、テンションをかけていきます。
テンションは、車やエンジンによって違いがあります。このトラックの場合は、8㎜から12㎜となっています。乗用車の場合は、5㎜~10㎜などと取扱説明書に記載していますので一度チェックしてから作業すると良いでしょう。
車種によってはベルトのテンションを張力で指示している場合もあります。その場合で感覚がわからない方は、テンションゲージを利用して正確に合わせましょう。
しっかりテンションが張り終わりました。ここで、もう一度各プーリーにしっかりベルトが収まっているかチェックします。
修理完成
完成したので、エンジンをかけてみます。動画撮影出来たので、上の完成動画も参考にしてみてください。
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トラックのファンベルト交換での注意点
ここでは、トラック(乗用車含む)のファンベルト交換での注意点を解説します。
テンショナープーリーの脱着と張り
トラックのテンションプーリーを脱着する場合は、センターボルトを緩めてからテンションボルトを緩めましょう。一般的な乗用車でも、近い構造のものが採用されています。ただ乗用車のオートテンショナーは、プーリー自体の外し方が違います。
また、オルタネーターでテンションを張っている場合もあります。そのような場合には、バールなどでオルタネーター外側に押して、ベルトにテンションをかけながらボルトを締める必要があります。
ファンベルト脱着
トラックは、エンジンとファンの構造上ファンベルトを外す場合には、ファンを迂回しながら外していくイメージになります。取り付けの際もその逆の手順です。
一見すると、知恵の輪みたいで「これ外れるの?」と思うかもしれませんが外れます。最後に、ファンベルトはオルタネーターやエアコンコンプレッサーなどを駆動させるのに必要不可欠なゴムパーツです。適切な交換サイクルと正確な取り換え作業を心がけましょう。