ブレーキパーツの中には、ブレーキパッドだけでなく、ブレーキキャリパーやブレーキローターなどもあります。これらのパーツは、走行距離が増えてくると、交換やオーバーホールが必要なパーツでもあります。ここでは、交換方法や注意点などを、作業しながら解説していきます。
ブレーキローター&キャリパー交換ってDIYでも可能?
ここでは、ブレーキローターやキャリパーを交換する事は、DIYでも可能か否かを解説します。
ブレーキローター&キャリパー交換は可能、だが注意点はある
ある程度車に知識があって、車の整備作業などをしている方であれば、ブレーキローターやキャリパーの交換は、DIYでもできる作業でしょう。
ただ重要保安部品であり特定整備となっているこれらのパーツは、DIYする場合はそれなりの覚悟と責任を持って作業する必要があります。それは、事故に直結するからです。
ブレーキローター&キャリパー交換は、重要保安部品
先程も触れましたが、ブレーキローターやキャリパーは、重要保安部品であり、特定整備になります。基本的に素人が、整備して良いものではありません。もし自信のある方でも作業ミスで事故などが起きれば、行政・刑事・民事での責任が問われる可能性があります。
交換に不安がある方は、プロに任せる方が安心
ここまでの話の中で、少しでも「不安だな」・「どうしようかな」と思った方は、迷わずディーラーや整備工場に作業をお願いしましょう。あとで痛い目に合うことを避けるためです。
DIYで作業をするという事は、自己責任が伴います。DIYするのであれば、これから解説することが、少しでも参考になればと思います。恐縮ですが最初にこの話をしたのは、本当に重大事故に直結する可能性があるからです。
ブレーキローター&キャリパー交換を作業しながら解説
ここでは、実際にブレーキローターとキャリパーを交換しながら作業方法などを説明していきます。
交換(外すのに)で一番大事なパーツは?
上の画像にもあるのですが、この2箇所で止まっているプラスのネジ、タイヤを外してこのネジがついていたら(ついていないのもあります)、このネジを外せるように最初に緩めます。
このネジが固着やサビで緩まない場合は、DIYの場合、作業が進まないという結果になります。このネジが取れないとローター交換ができません。取れない場合は、ドリルで穴を開けて外す場合もあります。
キャリパーを外す前にブレーキホースを撤去
まずキャリパーを外すために、ブレーキパイプとホースを連結している部分を緩めます。緩めるだけで〇です。
この時緩める工具は、フレアナットレンチという特殊な工具を使用します。DIYでは、シッカリ購入して準備しておきましょう。
完全に外すと、ブレーキフルードが一気に流れ出してしまいますので注意して下さい。ブレーキフルードは、塗装面・鉄部分も痛めます。
キャリパー側にも一か所同じように接続されているパイプとホースがあるので緩めます。
キャリパーを外す
上側のキャリパーボルトを外します。
キャリパーは、ナックルアームと2箇所で止まっている事が多いでしょう。このボルトを緩めます。
緩んだら、最初に緩めたブレーキパイプとホースを外して、ブレーキフルードが垂れないように、ウェスなどで巻いておきましょう。そして、キャリパーボルトを抜いてキャリパーを外します。
新しいブレーキローターを取り付ける
キャリパーを外して、ローターを止めていたプラスネジを外したら、上記のようにローターは外れます。
新しいローターを取り付けます。今回の作業は、16インチローターから17インチローターに変更し、更にキャリパーは純正17インチ用に変更するという作業です。
よくあることですが、グレードや年式によって採用されているブレーキサイズが違うことがあります。今回は、前期型の車に後期型サイズの物を取り付ける(適合確認済)という作業です。
ブレーキローターは、エンドレス製17インチ 2ピースで、キャリパーは、純正4ポッド17インチ用ローターです。干渉しないようにタイヤ&ホイールも18インチをチョイスしています。
キャリパーを取り付ける
17インチ用キャリパーを取り付けます。さすが純正!ぴったりマッチングします。
パッドを取り付ける
パッドも取り付けます。このキャリパーは少し特殊なので、パッドを抑えるワイヤーパーツは、画像撮影しておくと良いでしょう。
ブレーキホースを元に戻す
外したブレーキホースやパイプを元に戻して、組付け状態が問題ないか確認します。また外したパーツの締め付けも確認します。
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キャリパー交換したら、エア抜きを必ず行う
キャリパー交換するという事は、ブレーキフルードも漏れるという事です。漏れたり空気が混入しまうので、しっかりエア抜きをする必要があります。
上の画像で、「随分布がいっぱい」と思うかもしれませんが、ブレーキフルードは非常に塗装面などを痛めます。これくらいの養生はした方が良いでしょう。
エア抜きの基本的な手順
エア抜きには、専用ワンマンブリーダーを使用した方法と複数人で作業する方法の2つの方法があります。今回は、人数も居たので複数人で作業することにしました。
複数人での作業方法と手順
- 1名は、運転席にいて指示通りブレーキ操作する
- 1名は、指示を出しながらエア抜き作業する
- 1名は、ブレーキフルードの補充する
キャリパー交換すると、ブレーキリザーバータンクもカラになります。左リアの遠い方から、ブレーキフルードのエア抜きをします。最初は、かなりのフルード量を使います。
フルードが排出口から出てきたら、エア抜き開始です。ドライバーは、ブレーキを何回も踏んでから、指示のあったところで踏み込み続け、エアを抜く、また踏み込みを何回もし、エアを抜くという手順です。
補充係は、減ったら補充するのですが、最低レベル以下になるまでに補充しないと、エア混入させてしまいますので注意しましょう。ボトルを使う場合も先端を刺しすぎてしまうとエア噛みの原因となってしまうので注意します。
エア抜き作業動画で解説
エア抜きは、文章では説明しづらい作業です。1工程分の動画を撮影しました。この作業をエアが出なくなるまで行います。
完成と最後に
今回は、フロントブレーキローター&キャリパーを交換しました。ブレーキフルードのエア抜きは、前後で4箇所行っています。
最初にもお話ししましたが、ブレーキに関する整備などは、重要保安部品による特定整備に当たります。少しでも不安のある方は、「何とかなるだろう!」と作業せずに整備工場などに依頼しましょう。またDIYで作業する人も、自己責任ですので充分注意して作業しましょう。