【自動車整備士試験】2級「レッカー車問題」の解き方を解説!

レッカー車問題アイキャッチ

自動車整備士試験、2級ガソリン・ジーゼルで出題される「レッカー車」の後軸荷重を求める問題の解き方をご存知でしょうか?整備士試験2級合格を目指す上で欠かすことのできない「レッカー車問題」の解き方を解説します。

目次

【自動車整備士試験】2級「レッカー車問題」とは?

レッカー車問題とは

はじめに今回紹介する自動車整備士試験の「レッカー車問題」とはどのような問題なのか、この問題の概要について確認しておきましょう。

問題の概要

レッカー車問題の概要

自動車整備士試験の「レッカー車問題」は、レッカー車が自動車をレッカーする際にレッカー車の「後軸」にかかる荷重を求める問題です。

古い自動車整備士試験の問題では「前軸」を求める問題や、ただ単にレッカー車が荷物を吊り上げている状態での軸重を求める問題も出題されていましたが、近年はレッカー車が乗用車をレッカー中のレッカー車側の後軸荷重を求める問題が出題されています。

出題頻度

2級自動車整備士試験でレッカー車の軸重問題は主に「ジーゼル」で出題される事が多い問題です。

自動車整備士試験の「レッカー車問題」は、平成25年から令和2年1回目までの計15回の2級ジーゼルの試験で6回出題されています。最も最近の出題は令和1年2回目の2級ジーゼル試験です。

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【自動車整備士試験】2級「レッカー車問題」計算方法

自動車整備士試験の「レッカー車問題」を解くための考え方・計算方法を紹介します。「レッカー車問題」の解き方は様々なですが、解き方の一例として参考にしてください。

2ステップで考える

自動車整備士試験の「レッカー車問題」を解くときには、「レッカー車のワイヤー部分にかかる荷重を求めるステップ」「ワイヤー部分にかかる荷重からどれだけ後軸に荷重がかかるかを考えるステップ」の2ステップに分けて考える必要があります。

【ステップ1】レッカー車のワイヤーにかかる荷重を算出

レッカー車問題ステップ1

「レッカー車問題」を解く際にははじめに、レッカー車のワイヤー部分にかかる荷重を算出します。自動車整備士試験の「レッカー車問題」では乗用車・レッカー車の空車時の前軸・後軸荷重、ホイールベース等各種距離が与えられています。

ステップ1のレッカー車のワイヤー部分にかかる荷重を算出する際には、乗用車の前軸荷重、乗用車のホイールベース、乗用車の前軸からワイヤーまでの距離を利用します。

【ステップ2】後軸荷重を出す

レッカー車問題ステップ2

ステップ2では、ステップ1で算出したレッカー車のワイヤー部分にかかる荷重がレッカー車の後軸にどれだけかかるかを算出します。

この工程では、ステップ1で算出したワイヤー部分にかかる荷重、レッカー車のホイールベース、レッカー車後軸からワイヤーまでの距離を利用します。

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【自動車整備士試験】2級「レッカー車問題」例題

レッカー車問題例題
令和元年度第2回自動車整備技能登録試験 二級ジーゼル自動車 より

実際に自動車整備士試験で出題された例題を使って紹介してきた方法で、「レッカー車問題」を説いてみましょう。今回利用する例題は、令和1年度2回目(令和2年3月)の2級ジーゼルに出題された問題です。

【ステップ1】レッカー車にかかる荷重を算出

レッカー車問題例題ステップ1で使う値

はじめに、レッカー車のワイヤー部分にかかる荷重を算出します。この場合、乗用車側のホイールベース:2,460mmと乗用車の前軸からワイヤーまでの距離:290mm、乗用車の前軸荷重:550Nを利用します。

乗用車の前軸荷重

この計算では持ち上げる前の乗用車の前軸荷重持ち上げたときのワイヤー部分にかかる荷重がつり合います。そのため、持ち上げる前に乗用車の前軸にかかる荷重は2,460mm(ホイールベース) × 550N(乗用車空車時前軸荷重)です。

ワイヤーにかかる乗用車の前軸荷重

また、持ち上げたときのワイヤー部分にかかる荷重をxとすると、ワイヤー部分にかかる荷重はx × 2,750mm(前軸が持ち上げられるので、ホイールベース2,460mm + 乗用車前軸からワイヤーまでの距離290mm)になります。

実際にワイヤーにかかっている荷重

式で表現すると、2,460mm × 550N = x × 2750mmです。これを計算すると、x = 492Nとなりレッカー車のワイヤー部分にかかる荷重が算出できます。

【ステップ2】後軸荷重を出す

ワイヤーにかかる荷重をおもりとしてみた図

ワイヤー部分の荷重がわかったら後軸荷重を算出しましょう。【ステップ1】すでにワイヤー部分にかかる荷重を算出したため、【ステップ2】では乗用車部分は考える必要がありません。上記の図の様に単純におもりをレッカー車で吊り上げていると考えます

レッカー車問題簡略図

また、図を更に単純にすると上記の様になります。

そのため後軸にかかる荷重をzとして式で表現すると、2,501mm(ホイールベース) × z = 3,050(ホイールベース2,501mm + レッカー車後軸からワイヤーまでの距離549mm)となります。これを計算すると、z = 600Nとなりレッカー車の後軸にかかるおもりの重さが分かります。

レッカー車問題最終仕上げ

最後に、今回算出した600Nは乗用車によってレッカー車の後軸かかる荷重のため、これにレッカー車の空車時の後軸荷重を加えて、600N + 1,700N = 2,300Nという答えが導き出されます。

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この記事を書いた人

北陸の中心、石川県金沢市から車、ITに関するお役立ち情報を発信しています。

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