自動車の点検や整備では様々な工具を利用しています。自分で車を触ったことが無い方や興味のない方にとっては聞き馴染みのない工具も多数です。
そこで今回は、これだけは覚えておきたい自動車の点検や整備で使うことができる各種工具の「種類」と「名前」を紹介します!実際に整備現場で利用されているおなじみのあの工具から初めて耳にするような工具まで様々です。
【自動車】整備で使える工具の種類と名前
自動車の「整備」といっても作業は多岐に渡り、作業ごとの専用工具なども多くあります。しかし、どの整備でもかなりの頻度で利用している工具があります。
今回はそれらを3つの種類と使用頻度別に紹介していきます。まずは整備の現場でよく利用されている工具の種類から見ていきましょう。
レンチ系
レンチ系は整備の場面で最も多く利用する工具です。オイル交換やバッテリー交換など簡単な作業から、エンジンを下ろしたりハイブリットバッテリーを交換したりといった重整備でも利用します。
ドライバー系
ドライバー系は主に、プラスチック部分や細いビスなどで固定されている部品の脱着に利用します。形には通常一般家庭でも利用する「+」「-」の他に、トルクスドライバーと呼ばれる星型の特殊ドライバーも利用されています。
ハンドル系
自動車関係で「ハンドル」と言うとステアリングのことを思い出すかもしれませんが、工具で「ハンドル」とは各種「持ち手」となる部分のことです。
ハンドルは先端に目的のボルトに合った、ソケットと呼ばれる金属のパーツを取り付けてボルトを回します。
ハンドルにも様々な種類があり、「カチカチ」なりながらボルトをゆるめるラチェットや非常に硬いボルトを回すスピンナハンドルなどがあります。
プライヤ系
プライヤとは、ペンチやラジオペンチなどものを挟んだり切ったりするために利用する工具です。実際の整備作業では様々な配線などを切断するときや、手では縮めることのできないようなスプリングなどを縮めるような場面で利用します。
【自動車】整備で使える工具「使用頻度:高」
自動車の整備で使える工具でも使用頻度が高い工具から順に見ていきましょう。これらの工具が無くては、まず仕事にはなりません。
趣味で自分の車を触ろうと思っても、これらの工具なしではエアフィルターやエアコンフィルター交換くらいしかできないでしょう。できても車載工具を使ったタイヤ交換くらいです。
レンチ系
レンチ系の工具の中でも特によく利用されているのが、「めがねレンチ」です。「めがねレンチ」は工具両端に大きさの違う穴があり、そこでボルトを回すことができます。
もちろん、通常のレンチもめがねレンチが入らないような場所で頻繁に利用します。なお、レンチと聞いて思い出す方も多い「モンキーレンチ」は「使用頻度:高」には入らないので注意してください。後ほど後述します。
また、タイヤ交換やエンジンの分解に欠かすことのできないレンチが「トルクレンチ」です。
タイヤやエンジン本体などでは締め付ける強さである「締め付けトルク」が規定されています。
これに合わせるためにはトルクレンチで数値を読み取る必要があります。タイヤ交換後に確認として「カチッ」と音がなっている工具がトルクレンチです。
ドライバ
「ドライバー」は細いビスや車内のプラスチック部分の内装、ホース類の抜けどめで利用されているビスやバンドを外すのに利用します。
また、「貫通ドライバー」と呼ばれるドライバーの金属部分が持ち手を貫通して頭まで出ているドライバーがあります。
このドライバーについては非常に丈夫なので頭をハンマーで叩くなどして固着した部品の切り離しに使ったりもします。
ラチェットツール
ラチェットツールは非常に便利です。レンチやめがねレンチでは通常、一度ボルトにレンチをかけて回したら、再度レンチを外してかけ直さなければいけません。
ラチェットツールはその手間がなく、一定の方向だけ力をボルトに伝えて反対方向には力を伝えない役割を持っています。
例えば、通常のボルトを締める場合は右回転では通常のレンチと同じようにボルトを回して、左回転では「カチカチカチカチ」となり力をボルトに伝えません。
通常、ラチェットツールは次に紹介するソケットを先端に取り付けますが、中にはめがねレンチにラチェットが組み込まれた便利な工具もあります。
各種ソケット・ハンドル
車には様々な大きさのボルトが取り付けられています。これらに対応するために様々な大きさのソケットが用意されています。
また、ハンドルにも前述したラチェット機能があるラチェットハンドルや持ちて部分が長くなっており、力を加えやすいスピンナハンドル、プラグ交換などに利用されるT型スライドハンドルなど様々な種類があります。
ハンドルはソケットと合わせて利用するものなので、自分の車や作業に合わせて必要なサイズのものを用意しましょう。
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【自動車】整備で使える工具「使用頻度:中」
自動車の整備で使える工具として、必ずしも毎回使うものではないが「そこそこ」の頻度で利用する工具を紹介します。仕事として自動車整備を行っている方にとっては必須アイテムです。
プライヤ、ペンチ、ラジオペンチ
プライヤやペンチ、ラジオペンチはものを挟んだり切断することに利用します。ペンチ、ラジオペンチは一般家庭でも利用されることが多い馴染み深い工具です。
プライヤは主に、指ではつかみにくいものや硬いバンドを掴む時に利用します。また、細いビスやボルトの場合、折れたりなめたりしてしまった場合に利用します。
六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)
車でも一部部品には六角ボルトが利用されています。数は多くはありませんがこれらを取り外すときには六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)を利用します。
【自動車】整備で使える工具「使用頻度:小」
工具には様々なものがありますが、自動車整備においてはあって使えないことはないが無くてもいいという程度の使用頻度が非常に少ない工具もあります。
ねじ切り・ドリル
ボルトを折ってしまったり壊してしまった際にはねじ山を復活させるためのねじ切りや、折れたボルトを取り除くためのドリルは必要ですが必須ではありません。
モンキーレンチ
工具と聞いて頭に浮かべる方も多い「モンキーレンチ」ですが、実際の自動車整備ではほぼ利用しません。現場にはモンキーレンチを多用している方もいますが、実際には他の工具で代用できたりそのほうが効率のいい場面が多いです。
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【自動車】整備で使える工具「あると便利」
これまで自動車の整備に使える工具を紹介してきましたが、これらの工具以外にも作業時には準備しておきたい小物があります。
作業用ライト
自動車の作業ではエンジンルームの奥など光が届かない部分が多くあります。そのため、作業用ライトを準備しておくと作業が非常にスムーズです。
マグネット皿
「マグネット皿」とは磁石が仕込まれた小皿のことです。なれた人であれば不要かもしれませんが、慣れる前は外したボルトを無くしがちです。
マグネット皿に外したボルトを入れておけば、磁石の力でボルトを皿にまとめておくことができて便利です。
【自動車】整備で使えるおすすめ工具メーカー
自動車の整備用工具は様々なメーカーが発売していますが、その中でもアマチュアからプロまで様々な車好きが利用しているメーカーが3つあります。最後にこれらのメーカーを紹介しましょう。
Snap-on (スナップオン)
「Snap-on」の工具は分かりやす説明すると、「高価&高品質」です。整備士や車好きに非常に人気がある工具メーカーであり、価格は高い分その品質は最高と言われています。
KTC (京都機械工具)
「KTC」は日本の工具メーカーです。価格も一般の方で手を伸ばしやすい工具が多く品質が安定しており、「ド定番」と言える自動車用の工具メーカーです。
TONE (トネ)
「TONE」の工具も「KTC」と並んでよく利用されています。価格帯はKTCよりも少し安くホームセンターなどでも入手しやすいのがTONEです。もちろん、品質にも問題はありません。