皆さんは、オーバードライブスイッチという言葉に聞き覚えがありますでしょうか?40代以上の方は、「知っているよ」となると想像します。一方若い方は、「え?」となるかもしれません。本記事では、オーバードライブスイッチが聞かれなくなった理由などを解説します。
オーバードライブスイッチって ~目的や役割~
最近では、あまり聞かなくなったオーバードライブスイッチの目的や役割について説明します。
オーバードライブスイッチの目的
車のオートマミッションでのオーバードライブとは、いわゆるトップギアのことを指しています。例えば4速オートマの場合は、4速目がトップギアになりオーバードライブギアになります。
という事は、オーバードライブオンの時は1速から4速までのシフトアップダウンが行われるという事です。もしオーバードライブオフの時は1速から3速までのシフトアップダウンになります。
一般的にトップギアのギア比は、1.000を下回るものが多く、高速走行時などに使用されるギアになります。
オーバードライブスイッチの役割
一般的な走行では、オーバードライブスイッチをオフにすることはないといえます。ではオフにしたいときは、どのような場面・役割が想定されるのでしょうか。
オートマでは、マニュアルと違い回転数と速度で自動的にギアの選択が行われます。これは、非常に便利な機能なのですが、場面によっては走行しづらいケースが発生します。
- 長い下り坂を走行するとき:すこし速度を落として安全走行したいとき(すこし強めのエンジンブレーキをかけたい)などの場合にオフにします。
- 高速道路や雪道などのとき:急激な減速が安全走行に向かない場面などでは、オフにすることで緩やかな減速が可能です。
- 急こう配の上り坂のとき:一般的には、2速などに落として走行する場合がありますが、その場合は2速固定になります。一方オーバードライブをオンにしてしまうと、急こう配で4速までシフトアップしてしまうと減速してしまうことがあります。こういったときにオフにすることで快適な走行が可能になります。
オーバードライブスイッチが減少してきた!? ~理由~
オーバードライブスイッチが採用されなくなったのには、どの様な理由があるのでしょうか?
無段階変速のCVTが採用されるようになった
現在の車には、4速オートマを採用しているモデルよりもCVTを採用しているモデルが増えてきています。これは、各メーカーの技術革新によってCVTの信頼性があがったことによるものです。
そしてCVTとは、無段階変速というミッションになります。このことからオーバードライブスイッチの必要性が無くなってきたと考えられます。
マニュアルセレクトシフト採用によるオーバードライブスイッチの減少
近年のCVTモデルには、マニュアルモード(パドルシフト等)で走行できるモデルも多くなっています。自分のお好みのギアにシフトアップ・ダウンが可能になります。
筆者の営業車には、このマニュアルモードが採用されています。自分の好みに合わせてギアをセレクトできます。
開発当初のCVTでは、やはり機械的な不具合や寿命などの問題が介在していたと考えます。このためCVT登場当初は、4速オーバードライブの人気が高かった時代もありました。
その後技術革新などによって、徐々にCVTへと採用変更されたと考えます。こういったことから、本来の使用目的をオーバードライブスイッチでない方式で行うことが可能になったともいえます。
多段式ATの登場によるオーバードライブスイッチの減少
平成15年前後までは、4速・5速オーバードライブという高級車が一般的であったと考えます。これがいつしか6速、そして10速オートマへと大きく進化しました。
これは、1速から10速までより細かいギア比と、電気的制御でスムーズ且つ安全に走行できるように進化したといって良いでしょう。車の進化によって、オーバードライブスイッチの必要性が著しく減少したという事と考えます。
時代の移り変わりによって、各メーカーの技術革新や素材の進化などによって、より良いミッションが作り出されてきました。そして耐久性もアップしていると感じます。
こういった背景から、オーバードライブの必要性が無くなってきたと考えます。また燃費性能的にもオーバードライブ式のオートマよりもCVTや多段式オートマの方が有利になっているといえます。
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オーバードライブスイッチが無くなったのは【まとめ】
最後におさらいします。オーバードライブスイッチが装備されている目的や搭載されなくなった理由をまとめていきます。
オーバードライブは安全走行のために装備
オーバードライブスイッチは、安全に走行するための装置の一つです。ココだと思うときにスイッチをオンオフすることで、効果が高まるアイテムといえます。
オーバードライブスイッチが採用されないのは?
オーバードライブスイッチは、CVTや10速多段式オートマの出現で使用目的の減少から採用が少なくなってきています。