ヘッドライトの内側に水滴が沢山ついてしまったという相談がありました。相談の車は、トラックでした。殻割り作業は、トラックも乗用車も大きな差はないと思います。本記事では、ヘッドライト内側の水滴を「殻割り」作業で補修復活させる方法を解説します。
ヘッドライトの内側に水滴!?【原因は?】
ここでは、ヘッドライトの内側に水滴がついてしまう原因について解説します。
ヘッドライト本体とレンズ部の密着低下が多い
現在のヘッドライトは、レンズ部がプラスチック製というのが多いと思います。これは、乗用もトラックも同じです。プラスチック製レンズと本体は、ブチルなどの粘着素材で接合されているケースが一般的です。
レンズと本体との密着が失われてしまい、雨などの水がヘッドライト内側に侵入して、曇りや水滴付着、さらに浸水となって行きます。
ヘッドライト本体が何らかの理由で破損
多いのは、振動や事故などによるヘッドライト本体部分の破損です。何らかの理由でヘッドライトのレンズ部や裏側の本体部分が破損してしまい、水が侵入してしまうケースです。
バルブ周りのパッキン劣化
ヘッドライトは、本体側にスモールライトやヘッドライトバルブ、また配線等のコネクターが付いています。
このバルブカプラーには、防水の為Oリングなどが採用されています。この防水ゴムが劣化して水滴付着することがあります。
空気抜き用の穴から浸水
ヘッドライト本体には、湿気などを抜く穴が開いています。この穴は、内部の湿気を抜き、外部からの水侵入がしない構造になっています。
しかしながら経年劣化などによって、水抜き用穴がふさがってしまったり、構造パーツが外れたりすることがあります。こういったことが原因で、水が浸入するケースがあります。
ヘッドライトの内側に水滴!?「殻割り」作業でヘッドライト補修復活!
ここでは、トラックのヘッドライトを「殻割り」してヘッドライトを補修復活する手順を紹介します。
ヘッドライトを外す
まずは、ヘッドライトをボディから外してしまいます。このトラックの場合は、バンパー内に付いていますので、バンパーからヘッドライトや配線などを外してしまいます。
乗用車の場合は、一般的には、グリルやバンパーを外してから、ヘッドライトを抜き取る方式が多いでしょう。
ヘッドライトの浸水場所を特定していく
外したヘッドライトをよく観察します。それは、水がどこから侵入しているのかを推理、検証するためです。今回のトラックは、レンズと本体からの雨水侵入が大きな原因だと推測しました。
ヘッドライトの「殻割り」作業をする
それでは、ヘッドライト本体とレンズを「殻割り≒分離」します。レンズと本体の間をヒートガンなどの熱風の出るもので暖めながら、慎重に「殻割り」作業していきます。
ドライヤーでも何とか作業できると思いますが、上記のようなヒートガンの方が効率的だと感じます。
レンズと本体には、劣化した純正シール剤が挟まっていました。再利用できない状態でしたので、取り外しました。
レンズ部などの水滴を綺麗に取り除く
無事に「殻割り」出来たら、レンズ内側の水分を綺麗に取り除きます。この作業をしないと、ずっと水滴が残ったり、曇りの原因になったりします。
本体内側やリフレクター部分にも水滴がたくさん残っています。しっかり取り除きましょう。
出来れば建築用のシール剤などを使用して密着させる
ホームセンターには、色々なシール剤が販売されています。普通のシリコンシールだと強度が不足していたり、柔らかすぎたりしてしまうと思います。出来れば、建築の外壁に使用できる変性シリコンシールなどを使用すると良いでしょう。
ヘッドライトなどにも使用できるブチルテープ材料も販売されています。乗用車などの場合は、こういった材料を使用するのも良いでしょう。
もともと純正のシール剤が収まっていた場所に、建築用シール材を充填していきます。
充填が終わったら、一気にレンズを密着させて、マスキングテープなどで押さえてあげましょう。この状態でしばらく放置します。
ヘッドライトを元に戻して乾燥させて試験する
ヘッドライトは、12時間から20時間ほど乾燥させてあげると、密着させた部分も安定して良いでしょう。
その後、ヘッドライトをボディに戻して、試験稼働させて問題なければ、作業終了です。試験は、実際に水を掛けてあげて、再浸水しないかチェックすると良いでしょう。
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ヘッドライトの内側に水滴!?【注意点】
ここでは、ヘッドライトの「殻割り」作業などでの注意点を解説します。
レンズを割ってしまうと復活できない
レンズの「殻割り」作業は、慎重に行うことが大切です。万が一無理な作業をしてしまい割れてしまうと、交換するほかありません。このトラックのヘッドライトは、20万円ほどします。国産乗用車のヘッドライトは、5万円から15万円くらいします。
失敗しないためには、慌てずゆっくりと作業することと、ヒートガンなどでの熱の加え方を無理しないことと考えます。
浸水箇所が複数のケースがある
浸水箇所が複数あるケースでは、「殻割り」作業の補修をしても再浸水してしまうケースが起きます。ヘッドライトを外した時に、どこから水が侵入しているのかしっかり検証しましょう。
本体が割れていると再浸水するケースもある
本体が破損してしまっているケースでは、その割れた部分をどうにか修理したとしても何故か再浸水してしまうケースが起きます。本体が割れてしまった時は、残念ながらヘッドライト交換した方が安心でしょう。