最近筆者の周りでは、ディーゼルエンジンの話が多く取り上げられました。内容は、吸気系がススで汚くなり、最悪の場合故障になってしまうという内容でした。本記事では、ディーゼルの吸気ってすごく汚れるのかというのを実作業とリコールなどから検証していきます。
ディーゼルの吸気ってすごく汚れるの?【実際に作業してみる】
まずは、実際に状況確認してみないと何とも言えません。たまたま筆者所有の車はディーゼルです。実際に作業して、確認していきます。
スロットルボディを外す
吸気系の基本となるスロットルボディを外します。エンジンカバーを外して、スロットルボディとインタークーラーパイプを外します。そしてスロットルを外します。
インテークマニホールドについているEGRパイプを外す
インテークマニホールドを外すためには、ディーラーでも5時間以上かかる作業のようです。今回は、そこまで行うと作業できず車が動かせない状況になるので、今回の懸案事項となっているEGRパイプを外します。
汚れ具合を検証していく
スロットルボディを外したら、インテークマニホールド周辺やスロットルボディの汚れを検証していきます。やはりEGRが装備されている方のパイプにススがかなりついています。
スロットルボディの汚れ具合
スロットルボディにもガソリン車では考えられない感じのススや油汚れが付いています。
EGRの汚れ具合
インテークマニホールドの汚れの原因となっているであろう、EGRパイプも検証します。かなりススが付着していて、走行距離によっては、完全に詰まってもおかしくないと感じます。因みに筆者ディーゼルの走行距離は、45000㎞です。
ディーゼルの吸気ってすごく汚れるの?【リコール状況】
ここでは、各メーカーが申請したリコール情報を紹介していきます。
マツダの予見性リコール
デミオ、CX-3、アクセラのディーゼルで申請されたリコールです。
同モデルのエンジンにおいて、低速などを繰り返すことで、燃焼時に発生するスス量が増加し、インジェクター噴孔部に堆積してしまい、燃料噴霧状態が悪化してしまう現象が起きるとのことです。
さらにススの量が増え、排気側バルブガイド回りに堆積してしまうと、排気バルブが稼働しづらくなり、圧縮低下での加速不良や車体振動が発生、エンジン警告灯が点灯あるいはグローランプが点滅し、最悪の場合、エンジンが停止するようです。
トヨタの保証対象期間延長
トヨタでは、保証期間延長という対応になっているものがありました。ハイエース、レジアスエース、ダイナ、トヨエースの1KDエンジンに対して行われています。
高速走行等の高負荷運転を行っている車は、DPRシステム燃料添加弁周辺に炭化物が堆積してしまい、燃料添加弁の噴射量が減少し、DPR触媒のPMを十分に燃焼できず過度に炭化物が堆積しエンジン警告灯が点灯する可能性があるとのことです。
対応としては、対象車種を点検し交換の必要性がある場合には、燃料添加弁および燃料添加弁取付け部を補給品に交換します。
MINIのリコール
BMW MINIモデルでもリコールが発生していました。少しススの発生メカニズムが違うのですが参考までに紹介します。
ディーゼルエンジンの排気ガス再循環装置(EGR)部分にて、経年変化による冷却水漏れの発生があり得ます。
排気ガスに含まれるススが冷却水と混合した際に、排気ガス再循環装置(EGR)内部に堆積してしまい、高温になった堆積物がインテークマニホールドに流入し付着することで、インテークマニホールドが溶損する可能性もあります。
最悪の場合、火災に至るおそれがあるため、少し重大なリコールと考えます。
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ディーゼルの吸気ってすごく汚れるの?【ポイント】
ここでは、実作業を行った結果や現段階で申請されたリコールなどを検証したうえで、抑えておきたいポイントなどを紹介していきます。
ディーゼルの吸気側に汚れが多くつく可能性はある
現在のディーゼルエンジンは、排気を浄化してから排出する必要があることからEGRや尿素などが搭載されています。しかもなるべくクリーンにするために、EGRクーラーも電子制御で管理しています。
こういった状況の中、本来であれば綺麗な空気のみを取り入れたい吸気系に、排気も混入します。その過程で吸気系全般にススが付く可能性が高いといえます。
ディーラーや整備工場で定期的に清掃してもらう
筆者の車は、45000㎞程です。もし100000㎞程走行していたとしたら、少なくとも倍のススが付くと考えます。
エンストなどの故障につながる前に、ディーラーや整備工場で吸気系を点検・清掃してもらうのが良いでしょう。
特殊なクリーナーで定期的に清掃する
筆者の車両は、インテークマニホールドを外しませんでした。現段階での堆積汚れが故障につながるほどまでではないという判断を整備士にしてもらったからです。
その代わり、上記画像の「カーボンとーる」という商品で少しずつ浄化していくこととしました。
上記の商品は、船舶やトラックなどにも使用されていて、かなり信頼性の高い商品のようです。引火性のないアイテムというのも気に入った点です。