クーラントやLLC(ロングライフクーラント)と聞いて、車に使うクーリング液だと想像するのではないでしょうか?本記事では、一昔前にあったクーラントとLLCの違いや、主流になりつつあるスーパーLLC、さらにはディーゼル用がある点などについて解説してみます。
一昔前のクーラントとは?
約半世紀前のクーラントと言えば、どの様な商品だったのでしょうか?
一昔前に使用されていたクーラントとは?
一昔前と言っても、もう40年から50年以上前の話となります。このころは、クーラントと言えば主に凍結防止を目的にした商品が多かったと思います。
そのため防錆などは考慮されていないため、半年間を使用目安として交換されたりしていました。このころのクーラントは、あくまで凍結防止という意識が強かったため、ラジエター配管などの保護の意味は薄かったといえます。
巷での扱いはないと言える
現在では、車用途としてこういった商品はほとんど存在しないと考えます。簡単に言うと、需要と供給の関係で製品がないと云う事です。
ロングライフクーラントとは?
現在巷に流通している多くのラジエター液は、ロングライフクーラント(LLC)ではないでしょうか。
主流であるロングライフクーラントの特徴など
現在一般的に採用されているラジエター液と言えば、LLCと言われるロングライフクーラントが多いのではないでしょうか。
LLCは、エチレングリコールを主成分とし、消泡剤や防錆剤などが配合され、2年4万キロなどの長い期間交換不要な液剤となっています。
一般的にエチレングリコールで構成されているのは、昔のクーラントとあまり変わらないのですが、寿命を延ばしたり、ラジエターパーツの保護も目的として主流商品として扱われています。
エチレングリコールは、毒性の強い素材です。吸引したり目に入ったりしたときは、しっかり処置をしましょう。またラジエター液を道路などに捨てるのは、禁止されています。
ロングライフクーラントは走行環境で濃度調整
LLC(ロングライフクーラント)は、原液を希釈するタイプとそのまま使用できる希釈済みタイプの商品があります。希釈するときは、住んでいる地域にあった濃度に設定するようにしましょう。
また希釈タイプの場合は、どのような希釈率になっているのか(一般的には50%以下)を確認して作業しましょう。
特に暖かい地域に住んでいる人は、濃度15%前後となっているケースが多いようです。旅行などで、マイナス気温の地域に行くと、ラジエター液が凍結するケースもあります。お出かけ前に、チェックしてあげると良いでしょう。
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スーパーロングライフクーラントとは?
市販されているスーパーロングライフクーラント(LLC)が、最強のラジエター液であると言えます。
スーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)の特徴は?
最近新車で採用され始めた商品として、スーパーLLCと言われるラジエター液があります。メーカーによって様々ですが、5年や8年など交換不要というライフのすごく長い商品が出てきています。
メーカーによって構成される成分に違いがあるのですが、エチレングリコールに特殊な防錆剤や消泡剤を使用しているものや、毒性のないプロピレングリコールを主成分にして製造されているものまで開発されています。
ユーザーの車環境によっては、一回もラジエター液を交換しないケースもあり得るようになりました。ただしラジエター液は、皆さんが思う以上に劣化していきます。定期点検や定期管理は必要であると考えます。
現段階では一番最強のクーラント
トヨタでは、スーパーロングライフクーラントとして製造・販売しています。耐久性は、7年16万キロです。液体の色を赤から鮮やかなピンク色に変更しています。
一方ホンダは、ウルトラeクーラントという名称で製造・販売しています。こちらは、ブルーの色で11年20万キロの耐久性です。かなり長寿命になっていると感じます。
ディーゼル用クーラントって?
じつは、ディーゼルにはディーゼル専用クーラントがあるのをご存じでしょうか?筆者は、お恥ずかしながらディーゼルに乗っているのに知りませんでした。
ディーゼル用のクーラントの特徴
ディーゼル車は、ガソリン車に比べて熱負荷が高いため、ガソリン車よりも防錆剤や消泡剤の劣化が早いです。そのためこういった不具合を解消するため、ディーゼル車用には高温時でも機能が維持される添加剤が配合されています。
ガソリン用は使えないの?
筆者は、あるラジエター液製造メーカーに問い合わせをしてみました。それは、ガソリン用のラジエター液をディーゼル車に使用すること自体は可能なのかという点です。
希釈タイプの濃度を50%から60%の濃度にして使用するようにしてくださいとの回答を頂きました。そして定期点検しながら、トラブルのない定期交換を行うようにしたら使用自体は問題ないようです。ラジエター液一つとっても奥が深いと感じました。