皆さんは、エアコンガス注入の方法で真空引きと言う作業方法があるのをご存じでしょうか?この真空引きとは、どのような作業をいうのでしょうか?本記事では、エアコンガスの真空引きの意味やDIYでの作業方法、注意点などを解説していきます。
DIYでエアコンガス真空引き【そもそも真空引きとは?】
そもそも真空引きとは、どうして必要な作業なのでしょうか?
カーエアコンの仕組みとは?
カーエアコンの仕組みを簡単に言うと、配管内にある冷媒を気化・液化しながら室内にあるエバポレーターを通して涼しい風に変えています。コンプレッサーによって高圧にさらされます。
エアコンガスを真空引きする目的とは?
エアコンガスの真空引きは、どうして必要なのでしょうか?普通にエアコンガスを注入してはいけないのでしょうか?
エアコンガスが完全に抜けると、エアコンの配管には空気が混入していることになります。この空気は高圧にさらされることによって、水分へと変わります。この水分がエアコン効率を大幅に低下させ、エアコンシステムを破損させる原因になります。
またエアコン配管内が空気で満たされるという事は、大気と同じゼロ気圧になります。こうなるとエアコンガスの注入も難しくなってきます。エアコン配管内部を真空引きにすることで、空気を除去しエアコンガスを注入しやすくできます。
DIYでエアコンガス真空引き【真空引き作業】
ここでは、誰でも簡単DIYできる真空引きによるエアコンガス注入方法を作業しながら紹介します。
配線をつないでいく
まずは、エアコンを真空引きするためのゲージマニホールドを装着していきます。
DIYでエアコン関連を触る方は、ゲージマニホールドを一つ用意しておくと便利です。
真空引き開始!【5分から10分】
真空引き前のバルブの状態は、全閉です。青(低圧)、赤(高圧)、下側(ガスチャージホース)です。真空引きは、黄色のホースから行います。
真空引きポンプを装着します。
バルブを全て開き、真空引きポンプのスイッチをオンにします。
真空引きは、5分から10分で完了します。ポンプの作動音が変わるので、比較的わかりやすいです。
真空引き後、10分ほど放置する【その目的は?】
真空引きが完了すると、上の画像のようにマイナスの値になります。この状態で10分ほど放置します。放置する理由は、配管内に漏れがないかを検査するためです。
この時大気圧ゼロに数値が変化したときは、配管内のどこからか漏れていることになります。また検査をしているときは、高圧・低圧ともにバルブは全開です。
エアコンガスを注入していく
真空引き検査が終わったら、上記のようにバルブを全閉しておきます。
エアコンガスを黄色いホースに装着します。装着する際は、針が奥に引っ込んでいることを確認しましょう。
エアコンガスが装着出来たら、黄色い配管内の空気を抜くためエアパージをし、一本目のエアコンガス注入をします。これからは基本的に高圧側は使用しません。
低圧側のホースと、黄色のホース側を開き、ガスを注入していきます。この時エンジンは停止状態です。一本ほどガスが入ったら、エンジンを始動し、エアコン最大、最低温、内気循環で二本目を注入していきます。これからは、既定量や規定圧を見ながら注入していくことになります。
また1人運転席に座ってもらい、風が冷たくなってきたかなどの確認も行うと良いでしょう。
エアコンの風が冷たくなってきたら、運転席にいる人にエンジン回転を1,500rpmほどで固定してもらいます。これは、1,500rpmが一番コンプレッサーが稼働するエンジン回転だからです。
既定の圧力(気温ごとに変わります)、既定量注入でき、エアコンが冷えたら作業は終了です。
慣れているチャージングホースで注入も良い方法
筆者は、真空引きのマニホールドゲージの数字読みが結構難しいと感じます。あくまでも筆者個人の意見ですが、コンプレッサーやその他の異常がない様であれば、真空引き後のガスチャージは、チャージングホースで行っても良いと考えます。
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DIYでエアコンガス真空引き【守るべき注意点】
DIYでエアコンガスを真空引きするときは、守らなければならない点がいくつかあります。
高圧側ホースからは、エアコンガスを注入しない(エンジン始動で)
高圧ホース側は、真空引き以外は基本的に使用しません。ガス注入の時には、全閉が基本です。特に間違ってもエンジン始動状態(エアコン稼働)で注入していくのは、爆発の危険があるので絶対にやめましょう。
エアコンの既定量又は、圧力を守って注入
エアコンガスの既定量は、ボンネットなどに記載されています。真空引きする際は、この規定容量を守って注入しましょう。エアコンガスの入れすぎもコンプレッサーなどの負担になるので良くありません。
場合によっては、エアコンオイルの注入も行う
エアコンオイルは、エアコンシステムの潤滑に必要なオイルです。コンプレッサー交換やコンデンサー交換したときは、追加で注入しておくと良いでしょう。
なお、エアコンのコンプレッサーオイルには種類があり、基本的にガソリン車とハイブリッド車で異なるオイルが必要となりますので注意してください。