皆さんは、マイルドハイブリッドと通常HV車との違いをはっきり区分けできるでしょうか。マイルドハイブリッドの仕組みと通常HV車の仕組みは大きく違います。本記事では、両車の仕組みや違いをなるべくわかりやすく解説していきます。
マイルドハイブリッドの仕組みは?通常HVとの違い
マイルドハイブリッドの仕組みは、どのようになっているのでしょうか?
マイルドハイブリッドの仕組み
マイルドハイブリッド車は、減速時に発生するエネルギーをISG(モーター付きオルタネータ)で発電します。発電されたエネルギーは、アイドリングストップ専用鉛バッテリー(補機バッテリー)と専用リチウムイオンバッテリーの各々に充電されます。
その充電された電気を利用して、発進時や加速時にISGモーターを活用しエンジンを補助することで、より燃費性能を上げる仕組みになっています。
マイルドハイブリッドシステムは、ISGと2種類のバッテリー、それを制御するECU、減速時の回生エネルギー回収装備が搭載されています。
一般的なマイルドハイブリッドは、48Vシステムや36Vシステムなど電圧が小さい仕組みになっているのも特徴です。
通常HVとの仕組みと違い
マイルドハイブリッドは、あくまでもエンジンを補助することで省燃費に寄与する仕組みです。そのためEV走行などモーターのみでの走行はできません。
軽自動車や小排気量車では、エンジン出力が小さい事からマイルドハイブリッドによるエンジン補助が非常に有効になっていると考えます。
通常HVの仕組みは?マイルドハイブリッドとの違い
通常HV車は、マイルドハイブリッドと違い、どのような仕組みになっているのでしょうか。
通常HVの仕組み
通常のHVとは、一般的には2種類の動力で走行可能な車のことを指します。現在では、ガソリンエンジン+モーターという2種類の動力走行を可能とするモデルが多いといえます。
一番わかりやすいHVシステムとしては、トヨタのスプリット方式が挙げられます。エンジンとモーターがそれぞれアシストしながら駆動し、必要な時は、双方が分担して稼働することで省燃費性を高めています。
マイルドハイブリッドとの違い
マイルドハイブリッドは、あくまでもエンジンを補助する為にISGやバッテリーが付いているのに対し、通常HV車は、エンジン走行のみならず大容量バッテリーでEV走行のみも可能(HV方式によって違いはあります)です。
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マイルドハイブリッドと通常HVの種類は?
ここでは、一般的なマイルドハイブリッドシステムの種類と通常HVの種類を解説します。
マイルドハイブリッドは、ほぼ一方式といえます
マイルドハイブリッドシステムは、非常に簡易的なシステムとして設計・製造しているスズキモデル方式が一般的だと考えます。
完全にエンジンの補助だけを目的にしている点では、スズキのマイルドハイブリッドシステムが完成形ともいえます。
通常HVは、ほぼ3種類
通常のHVモデルは、大きく分けて3種類の方式があると考えます。
スプリット方式(シリーズパラレル方式)
トヨタHVシステムに採用されている方式です。エンジンとモーターが融合し、相互に良い状態になるように駆動割合が分配される仕組みです。
シリーズ方式
こちらは、日産のe-POWERなどに当たります。エンジンは、あくまでも発電専用に利用され、モーター駆動のみで走行する仕組みです。
エンジンは、発電のために使用されるので一定回転で静かに稼働します。そして走行はモーターのみで行うので、全体的に静かな車内空間になります。
パラレル方式
こちらは、ホンダが採用しているシステムです。エンジンを主体にし、必要な時に並列されたモーターのアシストを行うことで、ダイレクトに走行補助する仕組みです。モーターを駆動させる為のバッテリーは、大容量タイプです。
マイルドハイブリッドは、いわばパラレル方式をより簡易にしたシステムであるともいえますね。